「THE清里RUN エシカルミーティング2024夏」が7月6日と7日、山梨県北杜市の複合観光エリア「萌木の村(もえぎのむら)」を起点に開かれ、欧州車を中心としたクラシックカーなどの展示やツーリングが行われた。
同実行委員会の主催。委員長の根本純さんは日本人としてパリ・ダカールラリーに初挑戦し以降13回出場したほか、5大陸をプロドライバーとして走破してきた。「THE〇〇RUN」の冠を持つヒストリックカーイベントは「銀座」や「富士」でも行われ、「20世紀のクルマと文化を愛する人たち」が各地に集まっている。
バックアップしているのは東京都国立市に本拠を置く旧車クラブ「オートモビルクラブジャパン(ACJ)」(是枝正美会長)や萌木の村の舩木良さんら。萌木の村内にはラリードライバーの篠塚健次郎氏が家族と営むペンション「La VERDURA(ら・べるでゅーら)」があり、ラリー仲間として清里を盛り上げようと始まった。
ところが今年の春に篠塚氏が急逝。今回は故人を偲ぶ想いも込めて行われた。
2日目に参加した車両は約50台。トライアンフ『TR3A』(1959年)やAC『コブラ』(1962年)、BMW『2002』(1974年)、MG『MGA』(1957年)、ポルシェ『356』(1957年)、アルファロメオ『1300ジュニア』(1970年)、ミニ『クーパー』(1964年)といった歴史に名を残す名車がほとんど。先導車のアルピーヌ『A110ツール・ド・コルス75』(2022年)をはじめ、アルファロメオ『ジュリア』(2022年)やBMW『M2コンペティション』(2020年)といった現代のハイパフォーマンスカーも加わった。
午後からは各車が標高1000メートルを超える八ヶ岳の麓に設けられたコースを走り、記念撮影などを挟みながら高原の涼風を楽しんだ。
今回はBMW『600』(1959年)、メッサーシュミット『KR200』(1959年)、イセッタ『300ブライトン』(1961年)、ハインケル『トロージャン200』(1963年)といった4台の超小型自動車”バブルカー”もエントリー。アップダウンの多いツーリングは「坂の途中で止まってしまう恐れがあるので」と参加しなかったが、愛嬌のある形や構造などに他オーナーからも様々な質問を受けていた。
起点となる会場には篠塚氏関連のブースも出店。各地のイベントに同氏とともに出向いた三菱『パジェロ』ロング・ディーゼルターボ(2012年)と、その横には、1988年から始まったアジア・パシフィックラリー選手権初代チャンピオン獲得時のレーシングスーツなどのグッズが並んだ。篠塚氏完全監修による手のひらサイズのリアルなランエボミニカーもあり(3台セット1万3000円)、人気となっていた。
初日はカートレースやペンションでの偲ぶ会、翌日は展示と高原ツーリングなど、滞りなく終えた清里RUN。根本さんは「清里をクルマのメッカにしたいと始まった集まりです。篠塚さんは志半ばとなってしまい残念ですが、残された我々が盛り上げていこうと思ってます」と話していた。