運転中に何らか音楽を聴いているドライバーはかなり多くいるはずだ。当連載では、その音楽を「何で聴くか」について考えている。今回は、「市販AV一体型ナビ」の「音楽プレーヤー」としての実力を分析し、リポートする。
◆今やAV一体型ナビが音楽プレーヤーとして使われるシーンは限定的に…
かつてなら、車内では「メインユニット」が音楽プレーヤーとして使われることがほとんどだったが、これまでの記事にて説明してきたとおり、今やメインユニットはスマホを繋ぐためのある意味“ハブ”となっている。コントロール機器として、そしてパワーアンプとしては機能しているが、音楽プレーヤーとして使われる頻度はかなり低くなっている。
なので市販AV一体型ナビは、おしなべて“スマホ連携力”が高められている。「Bluetooth」対応は今や必須の機能となり、スマホのミラーリングを行えるように「HDMI入力端子」の装備もスタンダード機にまで広がっている。
ただし、ラジオや地デジの番組の音声を聴きたいというケースでは、AV一体型ナビが音楽プレーヤーとして機能する。その点においては今も不変だ。
◆AMラジオファンなら、ワイドFMに対応した機種に要注目!
というわけなので市販AV一体型ナビからはラジオが省かれることはなく、地デジチューナーもワンセグになることはあっても省かれるケースはかなり少ない。
なお、ラジオチューナーが「ワイドFM」に対応する機種が増えている。ワイドFMとは従来のAMラジオをFM電波にて受信できるというものだ。そうすることで従来のAMラジオをよりクリアな音声にて楽しめる。AMラジオファンであれば、ワイドFMに対応した市販AV一体型ナビをセレクトしよう。
さて、そんな中で音楽プレーヤーとしても特別な能力を発揮する市販AV一体型ナビが2機種ある。それはカロッツェリアの『サイバーナビ』と、パナソニックの『ストラーダ』だ。これらにはブラウザが搭載されているので、これら自体でYouTube等が観られる。また、自宅のブルーレイレコーダーと繋がれる機能も搭載されている。
◆自宅のブルーレイレコーダーと繋がれると、CSやBSの番組もリアルタイムで視聴可能に!
なおブラウザを使う場合には通信環境が必要となるのでそのためにスマホが使われることは多いが、しかしAV一体型ナビにブラウザが搭載されていれば、観たい動画の選択等の操作をナビ画面にて行える。この点においては「ミラーリング」よりも使い勝手が高い。
そして自宅のブルーレイレコーダーと繋がれると、レコーダーに録り溜めてある番組が観られるだけでなく、レコーダーが受信できるテレビ番組を車内にてリアルタイムで楽しめる。
例えば遠出をしたときには、その地域で放送されている地デジの番組しか観られなくなるのが常だが、これら2機種では自宅のレコーダー経由で住んでいる地域の番組がいつもと同じように視聴可能だ。
そしてそのレコーダーにてCSやBSの番組が観られるのであれば、ドライブ中にそれらの番組がリアルタイムで楽しめる。クルマの中で観られるテレビ番組は地デジだけ、という常識が覆る。
今回は以上だ。次回は市販「ディスプレイオーディオ」の音楽プレーヤーとしての実力を分析する。お楽しみに。