全国紙ウェブ版が1月末に、「マツダのエンブレム、28年ぶり変更」と報じて、業界とマツダファンが色めき立った。そして2月6日、東京青山にブランド体感施設「MAZDA TRANS AOYAMA」が開設した際に、新デザインが導入された。だが、“変更”ではなかった。
報道では、車体に付けるエンブレムを変更、今後、発売する車種に採用していく、企業ロゴ(正確にはブランドシンボル、マーク)も同じデザインに変える模様、とされた。
その後マツダからブランドシンボル変更の正式発表はなく、MAZDA TRANS AOYAMAの店内に新デザインのブランドシンボルが掲げられたのだ。新デザインは、社名の頭文字の「M」を丸で囲んだ従来のモチーフはそのまま、立体感を抑えた平面的なデザインとなっている。
マツダによると今回導入したブランドシンボルは「新たなバリエーション」だという。デジタル媒体で情報を得る時代に合わせ、視認性を向上させたそうだ。新旧切り替えではなく、現行ブランドシンボルと、視認性を向上させたバリエーション、それぞれを適切な場面で使用していく。新バリエーションのブランドシンボルの車両への適用は、現在決まったものはない。
マツダの場合はバリエーション展開だったが、フォルクスワーゲンや日産など、基本的な意匠は大きく変えないものの、ブランドシンボルを簡素なデザインに変更する例が最近見られる。BMWもマツダと同様、立体感を表現したシンボルマークだったが、平面的なデザインに切り替えている。造形を簡素化することで、スマートフォンのような小さな画面でもシンボルマークを識別しやすくなる利点がある。