純水洗車が強みの新しい洗車場「D-Wash」とは? 大和ハウスパーキングが“洗車ビジネス”に参入…2/28「IAAE2025」登壇予定 | CAR CARE PLUS

純水洗車が強みの新しい洗車場「D-Wash」とは? 大和ハウスパーキングが“洗車ビジネス”に参入…2/28「IAAE2025」登壇予定

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純水洗車が強みの新しい洗車場「D-Wash」とは? 大和ハウスパーキングが“洗車ビジネス”に参入…2/28「IAAE2025」登壇予定
純水洗車が強みの新しい洗車場「D-Wash」とは? 大和ハウスパーキングが“洗車ビジネス”に参入…2/28「IAAE2025」登壇予定 全 6 枚 拡大写真

数年前から「純水洗車」が人気を集めており、純水を導入した洗車サービスや洗車場が増え続けている。純水とは、水道水に含まれているカルシウムやマグネシウム、鉄分といった不純物をろ過したもの。洗車時に純水を使うとカーシャンプーの泡立ちが良くなり、自然乾燥OK。拭き上げの作業時間が大幅に短縮され、拭き残しによる汚れや拭き上げ時にボディなどにダメージを与えるリスクも軽減できるといわれており、カーオーナーはもちろん洗車ビジネスを展開する幅広い事業者から注目を集めてる。

純水を導入している洗車場はいくつかあるのだが、当編集部がいま最も注目しているのは、大手住宅総合メーカーの大和ハウスグループの一員として、駐車場運営と不動産の賃貸・分譲事業を展開する大和ハウスパーキング株式会社(東京都港区/代表取締役 宮武 孝之)が、2024年9月からブランド展開を開始した洗車場事業『D-Wash(ディー・ウォッシュ)』だ。2025年2月22日時点で、各地に直営5店舗(東京都・大阪府・神奈川県・埼玉県・福岡県)を展開中で、2026年度中に全国で30件の洗車場設置を目指しているという。

大阪府茨木市に2024年9月13日にオープンした「D-Wash中環南茨木」
「D-Wash中環南茨木」では、ドライブスルーの純水洗車を強く訴求

全国的に知られるコインパーキング『D-Parking』を主力事業として展開する大和ハウスパーキングが、なぜいま洗車事業に新規参入したのか? その背景や目的、戦略などについて、D-Washブランドを立ち上げた同社専務取締役の酒井太氏(パーキング事業本部 本部長)と、同ブランドの洗車場決済システムを担当する株式会社Raku-P 代表取締役の先川紀之氏に話を聞いた。

駐車場の「目的地化」として“洗車ビジネス”に参入

「当社は長年コインパーキングをメイン事業として展開していますが、駐車場から派生する様々なサービスを展開したい考えがあり『D-Stationプロジェクト』と銘打って、駐車場を地域の皆様にとって便利で魅力的な場所に変えることを目指しています。駐車場は“車を止めるだけの場所”というイメージが定着していますが、そこから様々な付加サービスを連携してタッチポイントになるようなものを展開したいという考えで、駐車場の『目的地化』をキーワードに事業戦略構想を練り、モビリティサービスのひとつとして洗車事業に新規参入しました。洗車事業だけでなく、ガレージハウスや電気自動車向けの充電器の設置、宅配BOX、電動二輪車の共通仕様バッテリー交換ステーションなどの事業化にも注力しています」と酒井専務取締役は述べる。

酒井専務取締役は、近年の洗車ビジネスの盛り上がりに着目して市場調査を行ったところ、洗車に時間をかけずに手軽さを求めるユーザーと、集中して洗車をしたいユーザーがいることを把握。純度が高い「純水」を採用するだけでなく、ドライブスルー型洗車機や手洗いブースを導入し、水にこだわった洗車場を展開することに商機があると考えた。2024年9月13日に大阪府茨木市にオープンした2号店「D-Wash中環南茨木」は、幅広い洗車ニーズに応えるべく、バイク専用の洗車ブース、車の手洗いブース、さらにドライブスルー洗車機の3種類の洗車サービスを用意し、D-Washブランドのショールームとして運営。ホームセンターやホテルなどの駐車場の余剰スペースに洗車事業を提案するなど、D-Washブランドのさらなる事業拡大に向けて邁進しているという。

駐車場の決済システムを洗車場に導入

酒井専務取締役は、大和ハウスパーキングの主力事業である駐車場ビジネスで培った実績と知見を活かし、D-Washブランドの決済システムにもこだわっている。酒井専務取締役が決済システムのパートナーとして選んだのは、株式会社Raku-P 代表取締役の先川紀之氏だった。同社はロック板や精算機が不要で、ナンバープレートAI認証システムにより0秒精算を可能する『Raku-Pポール』を提供しており、大和ハウスパーキングのコインパーキング『D-Parking』でも導入が進んでいるという。

Raku-Pのサービスについて先川氏は「2024年11月に、コインパーキング向けの新しいデジタル屋外広告として「DOOHサービス」をリリースしました。次世代パーキングの決済システムとして、 デジタルサイネージが料金看板になり、 料金表示はもちろん様々なプロモーション映像を表示できます。例えば将来的に、駐車車両の査定を行えるシステムを構築することも可能だと考えています」と話していた。また同社では2025年1月7日に、駐車場予約サービスをリリースしており、Raku-Pサービスサイトから事前予約することで駐車場を探す手間がなくなり快適に目的地を探すことができるという。D-Washブランドの洗車場予約システムとして、同予約サービスの導入も計画されているようだ。

D-Washブランドの洗車場には、0秒精算が可能な決済システム『Raku-Pポール』を導入

大手住宅総合メーカーの大和ハウスグループとして、駐車場ビジネスを行う大和ハウスパーキングが、純水洗車やドライブスルー型洗車機などを導入して洗車場ビジネスに参入したことは、幅広い自動車アフターマーケット業界において注目トピックといえるだろう。2026年度中に全国で30件の洗車場設置を目指していることもあり、今後の動きにも注目したい。

なお、2025年2月26日から東京ビッグサイトで開催される『国際オートアフターマーケットEXPO2025(IAAE2025)』の会期最終日となる2月28日(金)朝10時30分~11時30分の1時間、酒井専務取締役が同社が取り組む「D-Stationプロジェクト」の一環として立ち上げたD-Washブランドのビジネス戦略や、洗車場運営における現状の実績、今後の具体的な計画などついて詳しく語られるセミナーが予定されている。IAAE専用Webページにて来場事前登録および聴講予約を行えば無料で聴講することが可能だ。同社の動きが気になる自動車アフターマーケット事業者はぜひ聴講を検討してみてはいかがだろうか。

《カーケアプラス編集部@金武あずみ》

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