NECは、AI技術を活用した機械式駐車施設の無人化実現に向けた実証実験を開始したと発表した。オペレータの業務負担軽減と利用者の安全性・利便性向上の両立を目指す。
近年、少子高齢化や人口減少による労働力不足に伴い、駐車サービスの提供が困難になるケースが発生している。NECはこの社会課題に対し、AI技術を用いた革新的な無人化ソリューションの開発を通じて、駐車場運営の刷新を目指す。
実証実験は東京都港区のオフィスビルに併設された機械式駐車施設で、約2か月間実施される。AI技術搭載のカメラを用いた入庫時の降車確認と、入出庫時の駐車施設内への侵入検知に対する実現可能性を検証する。

技術的な検証項目として、人物検出における荷物や傘などに隠れた場合の検出精度や人物同士の重なりへの対応などを評価する。事業的な観点からは最適なカメラ台数や設置場所などを検証する。
NECはこの実証と並行して、利用者が誰でも簡単に駐車施設を直感的に操作可能な新UIデバイスも開発している。これらの技術を組み合わせることで機械式駐車施設の無人化モデルの確立と社会実装を推進し、駐車施設の価値向上に貢献する。
将来的には、駐車場の無人化を始めとしたDX化を加速させるとともに、駐車場とオフィスビル、ホテル、商業施設、マンションなど様々な施設を連動させることで、パスワードやカードキーに頼らない、便利で安全なお買い物や入退場の実現を目指していく。