メルセデスベンツの最近の純正オーディオはかなり優れているが、FOCAL(フォーカル)のスピーカーに交換したらどこまで音が変わるのか?そもそもスピーカーを交換する必要があるのか? 『EQE』で実際に純正オーディオとスピーカー交換後の音を聴き比べてみた。
◆FOCAL INSIDE for Mercedes Benz

欧州を代表する高級スピーカーメーカー、FOCAL(フランス)が、自動車メーカー向けOEM製品の豊富な開発実績と伝統的な高級スピーカーづくりの技術とを融合して生み出した車種別スピーカーキットがFOCAL INSIDE(フォーカルインサイド)と呼ばれるシリーズだ。
音響特性に優れたフランス特産の「麻(フラックス)」を独自の技術でサンドウィッチ加工したFLAXサンドウィッチコーン、インバーテッドドームトゥイーターを採用されていて、EQE/EQSやW214/W206に対応するモデルを今回取材した。
◆メルセデスベンツ専用モデルをトレードイン取り付け

デモカーとして用意されたのはEQE 350+。フロントスピーカーにはFOCALINSIDEのIS MBZ 100 V2(2ウェイセパレート)、リアスピーカーにも同じ2ウェイモデルを取り付け、センタースピーカーにはICC MBZ 100を組み合わせる。

いずれもトレードイン取り付けできる専用設計なので、インテリアのスピーカー各部を見ても純正のまま。スピーカー交換をした事も分からないスマートさだ。ミッドレンジはドア中程の純正位置に取り付けられている。またトゥイーターはEQE特有のドア上部のグリル部分に収められている。
◆そもそもスピーカー変える必要ある?

EQEの純正は、Burmester 3Dサラウンドサウンドシステム(15スピーカー)で、交換したのはそのうち9スピーカー。サラウンドスピーカー4本と足元のウーファー2本は純正をそのまま使っている。標準装備のBurmesterシステムは、一言で言えば「しなやかでウェルバランス」だ。敢えてケチをつけるとすれば、中音から低音にかけて音に締まりがなくモッサリしていることだが、純正の原価を考えればよく出来たシステムだと言える。
完成したデモカーを実際に試聴してみた。聴き始めてすぐに感じたのは純正を大きく上回る音の鮮度感だ。欧州ブランドらしいクリアでありながらも、暖かい豊かな個性が感じられる。スピーカーユニット自体のグレードが純正とはだいぶ違うので、Burmester 3Dサウンドの良さがより引き出されている。絶対的な音の品位が上がった。
それにしても最近の純正プレミアムサウンドシステム、かなり良くなってきている。コストを抑えた純正スピーカーユニットからの交換はその潜在的パフォーマンスを解放する最適の手段であることを再認識した。