洗車を行い、愛車を「良い艶を持った車にする日」、洗車をすることで「愛車への愛着を高める日」として、 一般社団法人自動車用品小売業協会(APARA)では、“良い艶”の語呂合わせで、 4月28日を「ヨイ(4)ツヤ(28)」、11月28日 を「イイ(11)ツヤ(28)」と呼び、年に2回『洗車の日』として制定している。 そこで今回は、ユーザーが知りたい洗車ケミカル用品や洗車機の進化についてまとめた。
日々進化している洗車ケミカル用品
クルマを長く大切に乗るユーザーが増えていることで、愛車を綺麗に長く保つ方法のニーズも高まってきている。洗車ケミカル用品の分野においても、従来の製品から大きく進化を遂げている製品も多い。
例えば、一般的な洗車用シャンプーに撥水系、もしくは親水系の加工ができる専用タイプのものや、コーティング車両に対しては、使用されているコーティング剤の特性に合わせたメンテナンス剤の展開なども行われている。また、最近の洗車において注目されている純水を精製する純水器などが家庭用向けに販売されている点も注目である。これらの製品は一般ユーザー向けでありながら、いわゆる“プロユース仕様”で、プロが使うものと同じレベルの商材を使うことができるという点が特徴であり、ユーザーにとってはうれしい点ではないだろうか。

またホイールクリーナーなどにおいては、一般的に鉄粉除去の効果から酸性の商品が多い中で、ホイールの素材を痛めない中性洗剤を使用したタイプも登場している。この商品は鉄粉に反応して色が変わる独自の除去テクノロジーを採用しており、鉄粉除去+汚れが一目で分かることもユーザーにとっては扱いやすい点であると言える。

外装だけではなく、車内の内装クリーニングに関しても、シートに直接泡を噴射し、汚れを落とす専用のシャンプーなどが登場しており、ユーザーの選択肢がかなり広がってきている。


見逃せない洗車機の進化
ここまで触れたのは、ユーザーが自分の手で愛車を洗車をする際に使用するケミカル用品の進化についてだが、愛車を洗車する際の選択肢としては、洗車機もある。ユーザーの中には“洗車機で洗車をすると傷が付く”と思っている人も多いのではないかと思うが、クルマの進化に合わせて洗車機も相当の進化を遂げていることをお伝えしたい。

まずそもそも洗車機には、大きく分けて2種類のタイプがある。「門型洗車機」と「ドライブスルー型洗車機」だ。門型洗車機は、クルマをスタッフが機械にセットするだけで自動的に洗車してくれるため、ユーザーは洗車が終わるまで外で待つことになる。一方のドライブスルー型洗車機は、ユーザーが乗車したままの洗浄が可能だ。その他にも、コイン洗車場などでユーザーが自ら操作し、専用のガンなどからシャンプーが出てきて洗える高圧洗浄機などもある。洗車を日常的に行っているユーザーなら、一度は使ったことがあるのではないだろうか。

洗車機の機能とブラシの進化
クルマの進化に合わせて、洗車機も進化を続けている。例えば、読み取った車形データに独自のフィルター処理を施し、車形の細部までさらにクリアに検出する解析システムを搭載している洗車機などもある。セルフのガソリンスタンドやコイン洗車場など一般ユーザーが機械を操作する場合、ブラシが当たる上で避けないといけない場所はあらかじめ設定の必要があるが、設定を済ませれば機械がセンサーを通して車形を判断して避ける。そのセンサーは数百本にも及ぶという。

また昨今のミニバンやSUVなどの人気車種のリヤ部分の洗浄力をアップした機能も登場している。特に今までブラシが届かなかったリヤスポイラーの下側を確実に洗浄するために開発された傾斜&分割サイドブラシでは、ボディ側面に対しての傾斜機能をリヤ部でも傾斜させ、さらに分割した上部のブラシは、従来のタイプより直径を拡大したことにより、リヤスポイラーの下まで確実にブラシが届くため、無駄の無い洗浄ができるという。

洗車機の機能上の進化の一部についてはご理解いただけたと思うが、肝心のクルマを洗う「ブラシ」もその素材が大きく進化している。現在の洗車機に搭載されているブラシは、メーカーにより呼称は異なるが、大別すると「化繊(ナイロン)タイプ」「布(織布)タイプ」「スポンジタイプ」の3種類に分かれる。それぞれ洗浄力、耐久性、静音性などの特徴を持つが、現在は各メーカーともほぼ「スポンジタイプ」が主流となっているという。

洗車機でクルマに傷は付かないのか?
洗車機を利用する際、ユーザーが最も気になるのは、前述の「愛車に傷が付くのではないか?」という点ではないだろうか。各洗車機メーカーにも確認したところ、結論から言えば「車形認識やブラシの進化により、洗車機のブラシ自体で傷が付くことはない」とのことだ。ただし、石や鉄粉、 火山灰などが残っている場合、その部分をこすってしまうと、目に見える傷が付く可能性がゼロではないということだ。ちなみにクルマの塗装面の硬さは4H程度(鉛筆などに使われる硬度)と言われているが、現在の各洗車機メーカーのブラシの素材はクルマの塗装より柔らかいため、ブラシでボディに目に見える傷が付くことはないというのが各社の見解だ。

ノーブラシ洗車という選択肢
前述の通り、基本的に洗車機のブラシで傷が付くことは無いのだが、 それでも「ブラシは何となく当てたくないんだよなぁ…」というユーザーも中にはいるだろう。そんなユーザーのニーズに応えるべく開発されたのが、高圧洗浄で汚れを短時間で落とす「ノーブラシ洗車機」だ。ノーブラシ洗車機、ではブラシを当てず、クルマに対して高圧の噴射ノズルが付いていて、ノズルが前後を往復することでボディ全体を洗浄する。ただし、油分のひどい汚れなどは落ちにくいため、汚れのひどさなどにより選択するのが良いだろう。
