雨による湿気や真夏のような暑さは、快適なカーライフの天敵。涼しさを求めてカーエアコンをONすると、しばらくして不快な臭いが発生してしまったら、即座に車室内の衛生対策を行なってほしい。
カーエアコンからの悪臭の原因
カーエアコンからの悪臭の原因は「エアコンフィルター」や「エバポレータ」に大量のホコリやゴミ、タバコの煙に含まれるニコチンやタールが蓄積し、それらがカビて悪臭を放っているケースが多い。
エアコンフィルターの汚れが原因なら、整備工場などに交換を依頼すれば短時間で対応してもらえるだろう。そうではなく、エバポレータが原因の場合は厄介だ。

エバポレータは、カーエアコンの心臓部として、車内に送る空気を冷やす役割がある。冷却時に水滴の付着が避けられず、カビやすくホコリなども溜まりやすいため年月が経つに連れて悪臭の温床となることが多い。またエバポレータは、車種によって設置場所が異なったり、エアコンフィルターのように簡単に取り外すことができない。
エバポレータを洗浄するには、専用のクリーナーを使う方法から、分解して洗浄するという手段まで様々な対応がある。悪臭の原因を根本から取り除くにはエバポレータ洗浄が効果的だが、分解洗浄の場合は作業費が高額になりがちで時間も掛かる。全ての整備工場が対応できるとは限らないため、予算も考慮して事前に確認が必要だ。
除菌・抗菌・殺菌の違い
カーエアコンの悪臭対策として、フィルター交換やエバポレータ洗浄は以前から提供されているが、コロナ禍をきっかけに、車室内の除菌・抗菌効果を求めるカーオーナーが増え、除菌・抗菌コーティングを提供するカーディーラー、整備工場、ディテイリングショップが登場するようになった。
除菌とは、文字通り「菌を除去(=排除)する」作用のことを指す。菌を殺すのではなく、あくまで菌を除去するという点から見ると、手洗いや食器などを洗うことも除菌といえ、それぞれの製品の業界団体が表示の自主基準を定めている。
抗菌は「菌の増殖を抑える(=菌を増やさない)」作用のことを指す。経済産業省の定義では、抗菌の対象を細菌のみとしているため、抗菌仕様製品では、カビや黒ずみ、ヌメリは効果の対象外となっている。
殺菌は「菌を殺す」作用のことで、厚生労働省によって文言の表示などが規制されている。殺菌と表示できるのは、消毒剤などの「医薬品」や、薬用石鹸などの「医薬部外品」のみとなっている。
カビが発生しやすい梅雨時期のカーライフを、快適かつ衛生的に過ごすための対策として、カーエアコンのメンテナンスや、車室内の除菌・抗菌・消臭効果を期待できる内装コーティングを覚えておいて損はないだろう。
