7月20日投開票の参議院選挙では、自民、公明両党は計47議席にとどまる惨敗で、非改選を合わせて参院全体の過半数(125議席)を割り込んだ。衆院に続いて参院でも少数与党に陥ったが、自民党総裁でもある石破茂首相は「政治を停滞させないよう、比較第1党としての責任、国家国民に対する責任を果たしていかねばならない」と強調し、続投する意向を表明したという。
きょうの各紙も「自公過半数割れ、首相、続投を正式表明」などと、1面トップで報じているが、首相自身も認める「これから先はまさしく『いばらの道』」。まるで主力工場の閉鎖と2万人の削減を決断するなど「聖域なきリストラ策」に取り組む経営再建中の自動車メーカーを彷彿とさせるようだが、「自民内では退陣を求める声が表面化しており、政権運営がさらに厳しさを増すことは避けられない状況だ」(読売)、「党内からは大敗を招いた首相や執行部に対する責任論が噴出し、退陣圧力が強まっている」(産経)とも取り上げている。
一方で、自民公明両党が衆参で少数与党となったことを踏まえ、野党各党は共闘を模索していくとみられており、ガソリン税の暫定税率の早期廃止のほか、消費税の減税・廃止や内閣不信任決議案で足並みをそろえられるかが今後の焦点となるという。しかも、トランプ大統領の通告による相互関税の上乗せ分の発動が8月1日に迫る中、赤沢経済再生担当相が8回目の閣僚協議に臨むため「アポなし訪米」中のようだが、「場当たり的な対応で協議を深められるかは見通せない」(産経)とも伝えている。
それにしても、石破首相の続投表明に対して、各紙の社説でも「居座りで混乱を長引かせるな」(読売)や「即刻退陣を改めて求める」(産経)、さらに「首相続投は民意の軽視だ」(東京)などと、大手メディアが自国のリーダーを露骨に糾弾するのもめずらしい。
2025年7月22日付
●自公過半数割れ、首相、続投表明、参院選惨敗 (読売・1面)
●「ガソリン税」廃止焦点、野党共闘へ立民注力 (読売・4面)
●関税交渉焦る政権、赤沢氏8回目訪米、投開票日深夜に確定 (朝日・3面)
●レアアース不使用の磁石、旧日立金属、EV用量産へ (日経・1面)
●円売りに市場身構え、財政拡張・高関税を警戒(日経・2面)
●ステランティス、赤字転落、1~6月、最終4000億円、米関税響く(日経・12面)
●緊急道、無電柱化へ新目標、国交省重点区間、30年度まで完了 (日経・27面)