子どもたちの笑顔がつなぐ自動車整備の未来…10/4-5開催『ジュニアメカニック2025@福岡』にかける思い | CAR CARE PLUS

子どもたちの笑顔がつなぐ自動車整備の未来…10/4-5開催『ジュニアメカニック2025@福岡』にかける思い

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子どもたちの笑顔がつなぐ自動車整備の未来…10/4-5開催『ジュニアメカニック2025@福岡』にかける思い
子どもたちの笑顔がつなぐ自動車整備の未来…10/4-5開催『ジュニアメカニック2025@福岡』にかける思い 全 7 枚 拡大写真

昨年、九州で初めて国土交通省と民間の自動車業界関係者がタッグを組んで開催された小中学生向けの自動車整備体験イベント『ジュニアメカニック2024@福岡』が九州エリアで大きな話題を集めた。子どもたちの好奇心や笑顔が、多くの自動車アフターマーケット事業者たちの “ 未来の希望 ” へとつながっている。

昨年、初開催の『ジュニアメカニック2024@福岡』には2日間で432名が来場。開催初日の様子が地元テレビ局のニュース番組で放送され、会期二日目の最終日はさらなる賑わいとなった

その熱気は冷めやらず、2025年10月4日(土)・5日(日)にマリンメッセ福岡 B館で『ジュニアメカニック2025@福岡』を開催。二度目を迎えるにあたり、企画を発案した国土交通省 九州運輸局に在籍する自動車技術安全部 整備課 森田恵整備課長は、小中学生とその保護者への参加を強く呼びかける。

九州運輸局の成果と意気込み

国土交通省 九州運輸局 自動車技術安全部 整備課 森田恵整備課長

「自動車整備士の人材不足問題の根本的な解決には、職業選択を本格的に考える前段階の小学生や中学生に自動車整備への興味を喚起することが不可欠との考えから、ジュニアメカニック@福岡を発案しました。

昨年の初開催では、想定をはるかに超える反響で、子どもたちが目を輝かせて、エンジンの動きやブレーキの構造に関心を寄せ、中には “ 必ず自動車整備士になる!”と決めて参加した子もいたほどです。そして保護者からは “ 子どもに参加させてよかった。自動車整備のイメージが変わった” といった肯定的な意見が多く寄せられたことは、大きな成果でした。

自動車整備士の社会的地位向上を目指す行政の考えに合致し、長期的に開催すべき意義深いイベントだと確信しました。お子さんの新たな一面を発見でき、自動車整備士のイメージも変わるきっかけの場になると思います」

いすゞ自動車九州が30名体制で臨む意義

会場で体験コンテンツを用意するのは、自動車メーカー系ディーラーや工具メーカー、自動車業界団体など15をこえる。昨年の初開催に引き続き、今年も工夫を凝らした企画を準備しているエントリー企業の1社として、いすゞ自動車九州株式会社のスタッフたちは熱意を語る。

同社は九州・沖縄エリアでトラック・バスの販売から整備、アフターサービスまでを一貫して手掛ける地域に根差した企業だ。物流や交通を支える商用車の分野で長年の実績と信頼を築き上げながら、近年では環境対応車や電動化の取り組みも積極的に進めている。

「私たちは大型トラックの商用車メーカーという特性上、子ども向けのイベントに携わる機会がないのですが、弊社代表の中村がジュニアメカニックの主旨に強く賛同し、“ 全社が一丸となってゼロから挑戦しよう ”という声がけのもとエントリーしました。大型トラック整備の魅力を楽しく伝えるために安全性を最優先し、30名のスタッフを動員してイベントに臨みました」と、昨年初参加した思いを語る。

『ジュニアメカニック2024@福岡』で、いすゞ自動車九州のスタッフたちが用意した体験コンテンツの数々。中でも高所作業車の乗車を希望する子どもたちが多かった

二度目のエントリーとなる今年については「ワイパーが動かない原因を診断機で調べて修理したり、ホイールの締め付け、積載車の積み込み作業など、本格的な整備体験を予定しています。トラック13台を用意し、総重量25トンの大型車から普通免許で運転できる小型車、昨年人気だった陸上自衛隊車両SKW、高所作業車(運転資格者を増員)に加え、今年は九州初上陸普通免許で乗れるキャンピングカーTravio など、普段触れる機会のない車両を揃えて子どもたちに多様な乗車体験を提供します」とコメントし、今年も30名体制での運営する考えだ。

いすゞ自動車九州のスタッフたちの表情は、皆にこやかで明るい。「5年後や10年後に “ 昔イベントで体験したことが忘れられず大型トラックのメカニックになりたいと思いました ” と、当社の面接で志望動機を話してくれる若者にいつか出会えたら本当に嬉しいですね」と話すスタッフたちの姿に夢と未来を感じた。車両販売実績に直結しないにも関わらず30名ものスタッフを動員する意気込みや情熱は、嬉しい未来のワンシーンへと続いていく。

いすゞ自動車九州株式会社 中澤銀次氏(アフターサービス本部)、光増亮氏(営業本部)、山口晴香氏(営業本部 営業推進室)

AA九州実行委員長 ランテル上村氏の使命感

来月の開幕を前に、期待が高まる『ジュニアメカニック2025@福岡』は、九州に根ざした自動車アフターマーケット事業者向けのビジネス展示会『オートアフターマーケット九州2025(AA九州)』と同時開催される。

AA九州実行委員長を務める株式会社ランテル代表取締役社長上村正明氏は、柳川・太宰府・久留米に拠点を構えて福岡県南部を中心にビジネスを展開する地域部品商の立場として、両イベントの同時開催に強い使命感を持っている。

『オートアフターマーケット九州』実行委員長を務める株式会社ランテル代表取締役社長 上村正明氏

「自動車業界の未来を担う人材を育成するためには、AA九州と同時開催で、ジュニアメカニック@福岡を実施することが重要だと考えています。人材確保が業界全体の課題となる中で、日本の行政機関のひとつであり我々自動車アフターマーケット事業者と関連が深い国土交通省 九州運輸局と連携してイベントを開催できることは、非常に意義深いことです。

子どもたちに自動車整備の仕事の楽しさや奥深さを直接体験してもらうことで、将来の選択肢として、この業界に興味を持ってもらいたい。私たち民間企業だけでは成し遂げられないことを、官民一体となって実現できることには大きな価値があります」

昨年の初開催で、上村氏が最も印象に残っていたことは、参加した子どもたちの笑顔だった。「子どもたちが初めて工具に触れ、自動車整備士のユニフォームを着て目を輝かせながら見せる誇らしげな笑顔に勝るものはない」と熱く語る。子どもたちの笑顔や感動が、保護者やイベントを支えるスタッフ、そして自動車業界全体に広がることで、ポジティブな相乗効果につながっていくことを上村氏は期待する。

「将来の自動車業界を担う若者たちに夢と希望を与えることが『ジュニアメカニック@福岡』の最大の意義であり、未来を見据えた価値のある取り組みだと信じています。少子化や人材不足という課題に直面する自動車業界にとって、ジュニアメカニックは希望の光であり、未来のメカニックたちが生まれる瞬間を、ぜひ会場でご覧ください」と、上村氏は真摯な思いを言葉にした。

自動車整備体験イベント「ジュニアメカニック」は、九州エリアから派生し、今年初めて9月20日・21日に東北エリアでも開催。未来の自動車整備士を育てる土壌として、5年・10年と継続され、いずれは日本各地で開催される催しとして定着することが望まれる。

ジュニアメカニック2025@福岡』の体験コンテンツの詳細や、入場が無料になる来場事前登録は公式サイトで確認できる。

《カーケアプラス編集部@金武あずみ》

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