静岡県小山町の富士スピードウェイ(FSW)P2駐車場で11月3日、「ハチマルミーティング2025 at FSW」が開催され、1980~90年代に製産された車両を中心に過去最大の約650台がエントリーした。
芸文社が発行する自動車専門誌『ハチマルヒーロー』編集部の主催で、その読者を中心としたオーナー同士の交流を目的としたミーティング・イベント。今年で15回目。
年々規模が膨らみ、これまで開催してきたFSW内のイベント広場や駐車場ではキャパシティ不足となったため、もっとも広いP2駐車場での開催となった。
規模拡大と共に企業ブースの出展も多数。ステージコンテンツもさらに充実した。GRトヨタや富士モータースポーツミュージアムなどによる出展企業アピールタイム、中古車販売店の「ユーティリタス」と自動車雑誌「高速有鉛」によるトークショーなどで盛り上がった。
参加規定は1980~99年に販売された車両(とその同型車)。旧車イベントでは『スカイライン』や『フェアレディZ』などといった日産車が多い傾向にあるが、ここでは『マークII』や『クラウン』『ソアラ』などのトヨタ車も目立ち、その中に三菱『ギャラン』やスバル『アルシオーネSVX』、ホンダ『シティ』などのメーカーがバランスよく配列。少数派ながらランチア『デルタインテグラーレ』やフォード『シエラ』RS500コスワースといったマニアックな外車の姿もあった。
また、人気のトヨタ『カローラレビン』および『スプリンタートレノ』のAE86(ハチロク)が多数参加。クルマの性格上エンジンや足回りをいじっている個体が多いものの、ノーマル路線をいく86オーナーも散見された。1986年式の2ドアレビンGTは、細部をノーマルへと再現し、ステアリングやシートにビニールカバーをかぶせるなどして”新車見せ”にこだわった展示方法がユニーク。「最初はバリバリのサーキット仕様を考えていましたが、前オーナーさんが大切に使用していたことを知り、純正戻しのカスタム化してみようと。パーツはGRから復刻版などで出ているので、極めていきたいですね」という若き25歳オーナーだった。
珍しいスバル『レオーネ』GTターボ(1985年)もほぼノーマル状態。「(長期所有にはネックとなるハイトコントロール付)エアサスはバネサスに変更し、ミッション、ブレーキなどもオーバーホールして絶好調」とオーナー。このイベントは今回で10回目の参加といい、「台数が多くて例年より車種の偏りが少なく、珍しいグレードとか結構マニアックなクルマが多くて楽しめています」と笑顔だった。
この日は風が強かったものの快晴となり、近くの富士山も時折姿を見せた。展示会場はもとより、ギャラリー駐車場もぎっしりと埋まった。『ハチマルヒーロー』と『ノスタルジックヒーロー』の栗澤浩司編集長は、「ハチマルといっても、もうかなり年数が経ちました。今回エントリーいただいたけど故障で来れなくなったというクルマが増えて、(このイベントを)長年やっているんだなあと実感してます(笑)」と、感慨深げだった。


