2つのホットスタンプ新技術、Gestampが世界初公開…人とくるまのテクノロジー展 2026 | CAR CARE PLUS

2つのホットスタンプ新技術、Gestampが世界初公開…人とくるまのテクノロジー展 2026

ニュース ビジネス
新しいホットスタンプ技術「Ges-HighForm」と「Ges-FastForming」
新しいホットスタンプ技術「Ges-HighForm」と「Ges-FastForming」 全 1 枚 拡大写真

高性能な金属自動車部品の設計・開発・製造に特化した多国籍企業、ゲスタンプ(Gestamp)は、5月27~29日に横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2026」に出展した。

同ブースでは、特許を取得した新しいホットスタンプ技術「Ges-HighForm」と「Ges-FastForming」のグローバルローンチを世界で初めて発表する。両技術は製造工程にかかる時間を最大6~10秒に大幅短縮し、高精度かつ高速な成形を可能にする。

「Ges-HighForm」は、構造部品の二段階工程のスタンプをベースとした技術で、成形・トリミング間の冷却時間を変化させることで熱処理条件の柔軟性を高め、より複雑な形状への対応も可能にする。ゲスタンプの標準ホットスタンプラインへの導入も可能だ。

「Ges-FastForming」は、大型部品の製品群「Ges-GigaStamping」専用に設計されており、可変冷却式の二段階工程でタンデムプレス設備と高度な温度制御を活用する。ツイン炉とダブルドア式リングプレスを採用することでレーザー切断を不要にし、工程を最大10秒に短縮しつつ高精度なスタンプを実現する。

ゲスタンプの「レーザーゼロ」戦略により、両技術は鋼材を金型内で直接切断できるようになり、従来必要だった後処理工程を省略できる。加工時間の短縮とコスト最適化を同時に実現するほか、冷却速度の柔軟な調整により新たな種類の鋼材の使用も可能になった。

また、日本の大手自動車メーカーとの共同開発により、この新技術で製造した初めての部品であるサイドシルも展示する。サイドシルは車両の構造剛性を高め、衝突時に車両と乗員を保護する重要な構造部品だ。

ブースでは、軽量化ニーズに応える新シャーシ製品「GES-BLADE」と「ハイブリッド合金ツイストビーム」も国内で初めて公開した。

「GES-BLADE」は、ブレード・ブッシュ・ナックル部分を強度鋼製の単一スタンプ部品に統合した画期的なシャーシで、最終形状の約70%を1回の工程で成形できる。同サイズの従来型ナックルと同等の構造強度と衝突安全性能を維持しつつ、最大20~25%の軽量化を実現している。

「ハイブリッド合金ツイストビーム」は、オープン断面トーションビームと全長にわたって接着された内部クローザーを組み合わせた革新的なリアアクスルで、最大4kgの軽量化を達成している。

これらの製品は、内燃機関車(ICE)、プラグインハイブリッド車(PHEV/PHV)、航続距離延長型電気自動車など、日本国内市場の主要な製造ニーズにも対応する。

ブースでは、G字型の溶接形状が特徴の高速レーザー重ね合わせブランク接合・溶接技術「G-Weld」も紹介。従来の接合方法に比べて最大5倍の溶接速度を実現し、高強度鋼や複雑な形状の溶接に適している。アブレーションが不要になり、接合部の品質向上と効率的な大規模生産を可能にする。

グループ会社のエドシャゲスタンプは、日本市場向けに第2世代パワースライドドアを展示する。インテリジェントセンサーと連続動作により、重いドアも楽に動かせるスマートドアシステムだ。

ゲスタンプは2026年から2030年までのESGロードマップの一環として、循環型経済と排出量削減の取り組みを推進している。三重県松阪市の工場「ゲスタンプ・ホットスタンピング・ジャパン」では、電気炉と敷地内太陽光発電パネルを備えた新たなホットスタンプラインを導入し、工場が消費する電力の約10~15%を太陽光発電で賄っている。

ゲスタンプは2009年に日本での事業を開始し、2017年には東京・八重洲にR&Dセンターを設立。2018年には三重県松阪市に最先端のホットスタンプラインを備えた工場を開設した。現在、24か国に拠点を持ち、115箇所の生産工場と13箇所のR&Dセンター、4万2000人超の従業員を全世界に擁する。2025年の売上高は113億4900万ユーロで、スペイン証券取引所に上場している。

《森脇稔》

この記事の写真

/

特集