「自動車整備技術の高度化検討会」報告書…スキャンツール普及率は78%
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国交省では、自動車整備事業者における整備技術の高度化を図るため、2011年度から有識者、関係団体からなる「自動車整備技術の高度化検討会」を設置して、事業者が今後備えるべき整備設備(環境)と人材育成体制の拡充方策について検討してきた。
自動車のハイブリッド・システムや衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術が急速に普及しており、自動車整備事業者は、このような技術に対する適切な点検・整備のあり方が課題となっている。このため、2015年度以降、事業者のスキャンツール使用状況調査、一般の整備事業者で使用する汎用型のスキャンツールに備えるべき新たな標準仕様案、スキャンツールの活用、最近実用化された新技術などについて整備要員教育のあり方について検討、その結果を報告書として取りまとめた。
報告書によると、整備事業者のスキャンツールの普及率は78%だった。整備事業者からは、汎用型のスキャンツールについてハイブリッド・システムに対応したものとして欲しいという強い要望があることが分かった。
汎用型のスキャンツールの標準仕様は、これまで排ガス装置の故障診断に限られていたが、ハイブリッド・システムや衝突被害軽減ブレーキに使用されているセンシングデバイスなど、故障診断も新たに追加するように標準仕様案をまとめた。
整備要員に対する高度診断教育では、2016年度から、高度化されたスキャンツールを用いた診断技術等を習得する研修(ステップアップ研修)、新機構・新装置の構造、機能制御方法等を習得する研修(新技術研修)を実施する。
今後の検討項目では、新たな標準仕様案について故障診断や修理調整に係るフィージビリティスタディ(事業化調査)を実施する。欧米におけるスキャンツールの活用の実態について調査する。
また、今後の課題として日々高度化する自動車に対応するためには、継続的に整備士の技術力を向上させる必要性を指摘する。
《レスポンス編集部》
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