マカオや香港でよく見かける“ダブルナンバー”の意味とは?
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マカオはご存知のように、1999年に返還されるまでポルトガルの植民地として存在してきたが、返還後も50年間はポルトガル植民地時代の制度が継続されることが保証されている。その流れから、マカオでは今もなおポルトガル植民地時代のナンバープレート・システムを採用している。
ポルトガルは植民地のナンバーに対し、全てアルファベットによる植民地コードを頭に加える「地域コードー数字2桁-数字2桁」の組み合わせを採用してきた。マカオでは植民地コードとして“M”が与えられたが、登録台数が増えたことで現在は“M+アルファベット1文字”を追加。つまり、「M-01-23」と「M#-01-23」の2タイプのナンバープレートが使われているのだ。
そんな中で2枚のナンバープレートを取り付けた車両は何モノなのか。現地に駐在する日本人に話を聞くと、それはマカオから中国本土へ乗り入れる場合に必要となる措置なのだという。
マカオは中国の広東州珠海市と半島として隣接しており、地理的には往来は可能だ。ただし、返還後50年間はポルトガル植民地時代の制度が継続されることが保証されているため、マカオについても香港と同様、“一国二制度”が適用されている。つまり、違う行政の国を行き来することとなり、それぞれのナンバープレートが必要となるわけだ。
ただ、誰でも広東州のナンバープレートが発行されるわけではないようで、広東州でビジネスを行う際に必要であることや、親族が居住していることなどの理由が証明できることが条件となる。しかも、その発行には100万円単位の費用が発生するとも言われている。もともと中国でナンバープレートを発行する場合、入札制度が存在するわけで、要は需要があるプレートに対しては発行手数料はどんどん上がっていくというわけだ。
また、中国では原則、新車も中古車も右ハンドル車両の販売は禁じられている。マカオは左側通行であるために右ハンドル車となるわけだが、このナンバープレートを付けている車両はその制限からも除外される。
《会田肇》
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