カーオーディオの醍醐味はココにあり! 『システムアップ術』研究!! 第7回「デッドニングで音質アップ!」 | CAR CARE PLUS

カーオーディオの醍醐味はココにあり! 『システムアップ術』研究!! 第7回「デッドニングで音質アップ!」

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デッドニングの施工例。
デッドニングの施工例。 全 1 枚 拡大写真
昨年末より、短期連載で『システムアップ術』研究をお届けしてきたのだが、もう数回、続編をお贈りしていく。今回は、オーディオユニットの追加ではなく、作業の追加による音質アップ作戦について考察する。テーマは「デッドニング」だ。


■「デッドニング」とは、ドア内部の音響的コンディションを整える作業

カーオーディオでは、機器を追加すること以外でも『システムアップ』が可能だ。その方法はいくつかあるのだが、今回は、「デッドニング」にスポットを当てていく。

最初に、「デッドニング」とは何なのか、から解説していこう。要は「ドア内部の音響的コンディションを整えること」である。ちなみオーディオ用語的に“デッド”という言葉は、“響きにくい”ことを意味する(反対語は“ライブ”)。確かに「デッドニング」のメインメニューは鉄板の共振を止めることであるので、「デッドニング」という言葉が使われているものと思われる。だがしかし、実のところはそれ以外のメニューもいくつかある。

というわけで最近は、これを「デッドニング」とは呼ばずに、「ドアチューニング」と呼ぶケースも増えてきた。意味合い的にはむしろ、「ドアチューニング」のほうがしっくりくる。

ちなみに、カーオーディオ・プロショップで市販スピーカーを取り付ける場合には、その時に何らか「デッドニング」メニューも盛り込まれることが多い。がっつりと「デッドニング」メニューが施されるケースもあるだろう。本来ならばそれがベストだ。最初からそうしたほうが、スピーカーの性能を十分に引き出せる。

しかし、後からやる、ということでも全然構わない。スピーカー交換時にはライトなメニューにとどめ、後の『システムアップ』でこれを行っても良いのである。

ただし、「デッドニング」は、いつかのタイミングで必ず行おう。そうしないと、せっかく導入したスピーカーの性能を引き出せないまま、時間が経過していくこととなる。それでは、あまりにももったいない…。「デッドニング」はお早めに。このことはぜひ、覚えておいていただきたい。


■「デッドニング」をしっかり行うと、スピーカーのランクが確実に上昇!

次に、「デッドニング」で行われるメニュー内容をご紹介していこう。主に行われることは、先にも触れたように、ドア内部の鉄板の共振(ビビリ)を止める作業だ。「制振材」と呼ばれる部材を、共振しそうな部分に貼り付けていくのである。

他には、「サービスホールを塞ぐ」という作業もある。スピーカーは裏側からも音を発している。しかしこの音は、音波としては表側から出ている音と真逆の波形となっている。もしも裏側の音が表側に回り込んでくると、それらが混ざり合い、“キャンセリング”(打ち消し合い)が起こってしまう。それを防ぐために、鉄板に大きく空いているサービスホールを塞いで、裏側の音を閉じ込めようとするのだ。

さらには、吸音も行われる。裏側の音エネルギーを吸い取ることで、鉄板をビビらせることを防ごうとする作業だ。しかし、これについてはやり過ぎてもいけない。やり過ぎれば共振する可能性を減らせるものの、音がつまらないものになってしまうこともあり得るのだ。

また、鉄板だけではなく、内張りパネルに対しても作業が施される。ここでは、パネルのガタツキ防止や、共振止めが行われる。制振材が貼られたり、吸音材が貼られる等々で、それが実践されていく。

「デッドニング」をしっかり行うと、スピーカーのグレードが、1ランク、いや2ランク上がったかのように、サウンドが良化する。「デッドニング」とは言わば、“スピーカーを作る”作業なのである。クルマのドアは、音響パーツとして設計されてはいない。そのドアを、音響パーツとして、スピーカーボックスとして状況を整えていくことで、音がガラリと変わるのだ。

なお、「デッドニング」に関しては、これをプロショップで行わずに、ご自分で作業するユーザーも多い。ドアの内張りパネルを外すスキルがあれば、ご自分で行うのも大いにアリだ。

ご自分で行うという方に向けて、注意点を2つだけお伝えしておきたい。1つは、「左右のドアで、まったく同じ内容のデッドニングをする」ということ。左右でコンディションが変わってしまったら、正しいステレオ再生は望めなくなる。左右のスピーカーは同じ条件で鳴らす必要があるのだ。

そしてもう1つ。それは、「制振材は、確実に、これでもかというくらいに“圧着”させる」というものだ。制振材の“圧着”が足りないと、制振効果が弱まってしまう。さらには、走行中に剥がれる心配も浮上する。ドア内部で制振材が剥がれると、それがむしろ異音の発生源となる。くれぐれも“圧着をお忘れなきように”

さて、今回は以上だ。次回は「アウターバッフル化」について解説していく予定だ。お楽しみに。

《太田祥三》

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