旧車ボルボを “ 20万キロ ” 乗れる品質にリフレッシュする … ボルボ クラシック・ガレージ | CAR CARE PLUS

旧車ボルボを “ 20万キロ ” 乗れる品質にリフレッシュする … ボルボ クラシック・ガレージ

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ボルボ・カー・ジャパン 240など旧車FRモデルを「20万キロ」乗れる仕上がりへ … KLASSISK GARAGE
ボルボ・カー・ジャパン 240など旧車FRモデルを「20万キロ」乗れる仕上がりへ … KLASSISK GARAGE 全 8 枚 拡大写真
紺ブレザーにデニムパンツと革靴のアイビールックで、ボルボの「240」に乗りたい。

こだわりを大切にする生き方を選ぶクルマ好きにとって、ボルボ「240」シリーズのワゴンやセダンは、理想的な愛車として受け入れられたように思う。しかしながら、新車発売当時に手を出せず悔やんだ経験を持つ人も多いのではないだろうか。近年になって、青年時代に憧れたボルボ「240」を中古車で入手した人もいるかもしれない。

ガッシリとした頑丈な力強さを感じさせる四角いボディが印象的な “ ちょっと旧車 ” なボルボは、硬派で無骨ながらも知的な品格があり、現代でもその魅力は色褪せない。


◆旧車ボルボ専用の『KLASSISK GARAGE』とは?

実は数年前から、輸入車インポーターのボルボ・カー・ジャパン自らが、ワークショップ事業『KLASSISK GARAGE(クラシック・ガレージ)』を立ち上げ、旧車ボルボの本格的なリフレッシュサービスを展開しているのだが、その事実を知らない人もいるだろう。


愛車を大切にするオーナーに向けて、国内外の自動車メーカー各社が取り組む旧車関連プロジェクトの動向を追い続けている当編集部は『KLASSISK GARAGE』の全貌を知るべく、ボルボ・カー・ジャパンの広報部にメールと電話でアプローチを試みた。

その結果、ボルボ・カー・ジャパンの直営店であり、国内最大規模の同社認定中古車販売拠点として、2020年10月24日に新築リニューアル・オープンとなった「ボルボ・セレクト東名横浜」で取材を行えることに。

取材日となった11月中旬。真新しい店舗に足を踏み入れた先には、サファリイエローのロングボディと丸目が特徴的な、ボルボ往年の名車「P1800」が鎮座。その存在感に圧倒され、神々しく輝く姿にしばし見惚れてしまうほどだった。

2020年10月24日に新築リニューアル・オープンとなった「ボルボ・セレクト東名横浜」内には、往年の名車『P1800』が展示されていた

じっと見入ってしまう美しきクーペ・P1800の存在を感じながら取材をスタート。『KLASSISK GARAGE』に当初から携わられている、KLASSISK GARAGEマネージャーの阿部昭男氏(ボルボ・カー・ジャパン株式会社 ボルボ・カー東名横浜)からお話を伺うことができた。

ワークショップ事業『クラシック・ガレージ』に当初からから携わられている、KLASSISK GARAGEマネージャーの阿部昭男氏(ボルボ・カー・ジャパン株式会社 ボルボ・カー東名横浜)


◆ワークショップ『KLASSISK GARAGE』は4年前に始動

はじまりは今から4年前の2016年8月5日。クラシックカー展示・販売イベントとして初開催された「オートモビルカウンシル2016(AUTOMOBILE COUNCIL2016)」の場で、ボルボ・カー・ジャパンは『KLASSISK GARAGE』の始動を公表。イベント会場では同ワークショップで手がけられた「P1800」と「850ワゴンT-5R」が展示された。

「オートモビルカウンシル2016」の会場で展示された、ボルボ「850ワゴンT-5R」
「オートモビルカウンシル2016」のボルボ・カー・ジャパンブースには、大勢の来場者がつめかけた
※写真提供:ボルボ・カー・ジャパン広報部




◆安心してより長く「クラシック・ボルボ」に乗り続けられるように

「クラシックなボルボ車を、これからもずっと大切に愛して乗り続けてくださるオーナー様に感謝を込めて、旧車モデルの車検、点検、整備といったメンテナンスをお引き受けできる専門サービスとしてKLASSISK GARAGE(クラシック・ガレージ)はスタートしました」

と、阿部マネージャーは教えてくれた。


サービス開始を発表したその後、阿部マネージャーは中古車販売店などで旧車ボルボを購入したオーナーと直接話しをする機会が生まれたという。

すると、メンテナンスや内装補修、外装の鈑金塗装などを安心して依頼できる整備工場がどこにあるのかわからず、そのままガレージに保管せざるをえなかったり、やむなく廃車を決断するオーナーがいることがわかってきた。

そこで阿部マネージャーをはじめとする「KLASSISK GARAGE」事業推進メンバーは、旧車ボルボオーナーのニーズに応えたい一心で、より広範囲なリフレッシュを行える体制を構築していく流れとなった。

現在「KLASSISK GARAGE」リフレッシュサービスの整備作業は、本年10月に新築リニューアルした「ボルボ・セレクト東名横浜」併設の専用ガレージ(2レーン)で行われている。高度な技術を持つ専任のマルチ・スキル・テクニシャン(MST)が、責任をもって担当し対応。一台一台、車のコンディションに応じて、オーナーとしっかり相談のうえ要望をヒアリング。オーナーが希望する作業内容に関して、純正パーツ交換を中心に整備を行っている。

対象モデルは、基本的には1950年代から1998年までに製造されたFR(後輪駆動)なのだが、例外的にFF(全輪駆動)の「850T-5R」と「850R」も含まれる。対象モデルの詳細については、ボルボ・カー・ジャパン正規販売店に問い合わせしてほしい。

ボルボ「KLASSISK GARAGE」対象モデル
ボルボ「KLASSISK GARAGE」サービスメニュー
※出典:ボルボ・カー・ジャパン「KLASSISK GARAGE」Webページ



◆強みは「純正パーツ」の供給力

KLASSISK GARAGEの強みについて尋ねたら、阿部マネージャーはこう教えてくれた。

「オートモビルカウンシル2016で出展した、1995年式の「850ワゴンT-5R」は、KLASSISK GARAGE を始めるキッカケとなった車両で、2015年に手掛けました。

20年前に発売された850ワゴンT-5Rを、国内のレストアショップや整備工場で作業を行われる場合は、どうしても純正の交換部品(補修部品)の入手が難しくなってしまうと思います。

そういった課題を、輸入車インポーターであるボルボ・カー・ジャパンが解決したいという強い想いがあり、可能な限り新品の純正部品を確保できる体制を整えて、新車当時に組み付けられていたオリジナル部品を使って850ワゴンT-5Rをリフレッシュすることができました。この出来事が、KLASSISK GARAGEの立ち上げにつながっています。

ボルボ・カー・コーポレーションの関連会社に、GCP(Genuine Classic Parts )というスウェーデンの企業があり、すでに生産が終了しているボルボ車両の純正部品を供給しています。このルートがあることで、20年から50年前の旧車ボルボの純正部品をスムーズに入手できるのです。

とはいえ、どうしても入手困難な部品もございますので、その点はご了承いただくかたちとなりますが、旧車ボルボの純正部品を入手しやすいという点は、ボルボ・カー・ジャパンだから実現できる強みだと思います。

誤解がないようにしっかりお伝えしたいこととして、当社で行えるサービスは “ リフレッシュ ” です。当社でリフレッシュさせて頂いた旧車ボルボは、その後20年、20万キロ乗れる、新車に近いクルマに仕上げるべく、全力で取り組ませて頂いています」


このほか阿部マネージャーは、ボルボ・カー・ジャパン指定の認定鈑金工場が外装の修理(鈑金塗装)を担当し、内装補修は経験豊富な職人が在籍するパートナー企業が手掛けていることも説明してくれた。

KLASSISK GARAGE で手がけられている車両は、「850ワゴンT-5R」のほか、「P1800」「240」「S90 Royal エルメス」などがある。詳細な施工レポートが、ボルボ・カー・ジャパン公式Webサイト内のスペシャル・コンテンツとして公開されているので、ぜひチェックしてみてほしい。

ボルボ・カー・ジャパン公式Webサイト内のスペシャルコンテンツページ『KLASSISK GARAGE リフレッシュプロジェクト』
※出典:ボルボ・カー・ジャパン「KLASSISK GARAGE」Webページ


ボルボ・カー・ジャパンの「KLASSISK GARAGE」リフレッシュサービスは、大切な旧車ボルボの不調を解決したい、修理してまた乗りたい、と願うオーナーにとって最適な取り組みといえる。

ボルボ車に限らず、新車から10年、20年、30年さらにそれ以上経過したクルマを、大切な「愛車」として長く乗り続けたいクルマ好きは、確実に一定数存在している。自動車メーカーや輸入車インポーター自らが、リフレッシュサービスや補修部品供給、廃盤部品の復刻、さらにはレストアサービスまで対応する流れがあることは、旧車を愛するクルマ好きにとって“希望の光”だ。この日本で、旧車な愛車に長く乗り続けるために、自動車メーカーと輸入車インポーターのアフターサービス強化と、旧車の車両保険、自動車税の見直しを願わずにはいられない。

《カーケアプラス編集部@金武あずみ》

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