人間がヘバるほど暑いときはクルマもつらい状況にある。ならば、夏場に対応させるメンテナンスやチューニングを施しておいて猛暑の大渋滞でも耐えるクルマでお盆の帰省も安心して迎えたい。
毎年35度を超えるようになった日本の夏。すっかり亜熱帯地域になってしまったのではないかと思われるほどの暑さが続く。そんなときは人間同様にクルマにも厳しい。一歩間違えればオーバーヒートにもつながるだけに、きっちりと対策を施してから真夏を迎えたい。
◆オーバーヒートは回復しないこともある
重大なトラブル!! 即エンジン終了のこともある!!
夏場だけに限らないが重大なトラブルとして認識してもらいたいのがオーバーヒート。エンジン冷却水の温度が高くなりすぎてしまうトラブルだ。教習所ではもしメーターに水温が上がりすぎている赤いマークが現れたら、日陰にクルマを止めてエンジンはアイドリングでボンネットを開けて冷やしてあげましょうなどという対処法が書いてあったかと思う。それはそうだが、それで冷やせば直るわけではない。そもそも水温が上がりすぎてしまうこと自体がおかしいので、温度が上がりすぎるとエンジン自体が重大なダメージを受けてしまう。
他にもエンジン本体が熱によって歪んでしまうこともある。そうなるとヘッドガスケットに隙間ができて、気密性を保てなくなりまともに走れなくなる。直すにはシリンダーヘッドなどをまっすぐになるように研磨せねばならず、いわゆるエンジンオーバーホール+αのコストが掛かってしまう。
◆まずは冷却水からチェック!
2年交換してないなら即交換!!
まず気をつけたいのは冷却水。規定量が入っているかは最低でも毎月チェックしてもらいたい。「冷却水が微妙に減る。このクルマはおかしい」という方がいるが、実際に冷却水は減るもの。ほとんど減っていかないクルマもあるが、リザーバータンクは大気開放されているので、わずかに蒸発していっても正常である。ということは、ほっとくと減るということ。水が足りなくなればオーバーヒートは確実。エンジンが温まっているときの水位と、冷えているときの水位がタンクに示されているので、それに従ってクーラントを補充してもらいたい。もし、出先で減っていたらとりあえず水を補充して、近いうちにショップでクーラント交換を施工してもらいたい。
◆ファンベルトもオーバーヒートの原因に!!
劣化がないか目視チェックを!!
ファンベルトというと冷却ファンを回していたのでそう呼ばれているが、それはかなり古いエンジンの話。現在は電動ファンが多くなり、ファンベルトという名前だがウォーターポンプやエアコンを駆動している。このベルトが超重要。ウォーターポンプが止まってしまったら、エンジン内の冷却水が循環しなくなるので即オーバーヒートだ。この場合、瞬時にエンジンが熱を持つので復活できる可能性は低い。ベルトにひび割れがないか、キュルキュル音がしていないかを要チェック。
◆オイルはちょっと硬めに交換
真夏の渋滞は最悪のコンディション
暑い分だけエンジンオイルの温度も上がりやすい。温度が上がるとオイルは劣化しやすい。そうなるとエンジンにダメージが及ぶこともある。純正指定粘度が0W-20なら、夏場は0W-30とか5W-30にしてもいい。
とくに高速道路で気持ちよく走っていたところから、突然の渋滞は厳しい。エンジンは熱を持っていて、突然停止で走行風は入ってこなくなり温度は上昇。エンジン回転数はアイドリングの900rpmくらいになり、オイルポンプの回転も遅くなるので油圧は低下。そもそも油温が上がっているのでオイルはサラサラとしていて油圧が低いところでオイルポンプの油圧も低くなり、さらに油圧が下がる。カムやクランクシャフトのメタル部分に大変厳しい状況になる。
◆エアコンと渋滞でバッテリーにも
大きな負荷が掛かっている
バッテリーは寒いときも厳しいが、暑いときはエアコンや電装品などの負荷もあり、これまたつらい状況にある。徐々に弱る場合、最近のクルマはエンジン始動がボタンを押すだけが多く、「あれ、セルモーター遅くなった?」というもの体感しにくく、なかなか把握しにくい。
渋滞は充電できず、バッテリーに辛い環境なので、遠出の予定があるなら早めに交換しておきたい。車検2回に1度は異常がなくてもバッテリー交換しておけば安心だ。
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