シートは「寝かせ気味」が正解!? 正しいドライビング姿勢とは? | CAR CARE PLUS

シートは「寝かせ気味」が正解!? 正しいドライビング姿勢とは?

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シートは寝かせるのが正解!? 正しいドライビング姿勢とは[カスタムHOW TO]
シートは寝かせるのが正解!? 正しいドライビング姿勢とは[カスタムHOW TO] 全 7 枚 拡大写真

レーシングドライバーは背もたれをやや寝かせる。その方がクルマの挙動を感じ取りやすいのと、カラダがホールドされやすいからだという。正しい運転姿勢を取り入れれば、もっと楽に安全に運転できるようになる。

◆「適度に手が届く」など曖昧な表現では伝わらない

運転姿勢は教習所でも習っている。「ハンドルの上部や、手の反対側を持ったときに手が伸びきらない」とか、「適度に車外が見える高さにする」など、わかる人には当然だが、わからない人にはほぼすべて正解になってしまうような、曖昧なアドバイスしかしてくれない。その結果、教習車で背もたれはほぼ垂直になり、そこでハンドルにしがみつくように運転している人を見たこともあるのではないだろうか。

対するレーシングドライバーはやや背もたれを寝かせる傾向にある。これは体重をお尻だけではなくて、背中でも支えたいから。より広い面積でシートとカラダが接したほうが、クルマの挙動が感じやすいからだという。

また、極端な話、クルマの上に立つよりも寝転んでいたほうが、もし、テールスライドを起こしたときにもアタマや上半身の移動量が多いのでスライドを感知しやすい。そういった意味もあって、背もたれは寝かせ気味にしているのだ。さらに、サーキットでは強いブレーキを掛ける。そうなるとカラダは前に持っていかれるが、背もたれを寝かせていると耐えやすい。というか、カラダが前に吹っ飛びにくくなる。サーキットではもちろんフルハーネスをカラダを支えているが、それでもカラダが前に行きにくくしておいたほうが乗りやすいのだ。

◆ハンドルを手前に持ってくることから正しい姿勢は始まる

そうなると背もたれを寝かせたくなるわけだが、そうすると必然的にハンドルは遠くなる。正しい姿勢としては、右手で時計の9時まで切り込んだときに、肩がシートから離れないようにしたい。もっとも手が伸びるハンドル上部に来たときに、肘が伸び切るか伸び切らないかくらいが適正範囲。そうなると背もたれを寝かせる角度に限界が出てしまうのだ。

そこでハンドル位置を補正するチューニングが有効になる。方法はいくつかあるが、オーソドックスなものは純正ハンドルを外し、そこに車種専用ステアリングボスを取り付け、社外品のハンドルを取り付けること。そのときにハンドル位置が手前に来るようにスペーサーを入れたり、ディープコーンタイプのハンドルにすれば、ドライバーにハンドルが近づき、もっと背もたれを寝かせることも可能になる。

そうなると純正ハンドルに装着されているスイッチ類がなくなってしまうが、最近では車種専用でそのスイッチを移設するキットを売っていて、適合車種ではそれを使うと便利だ。ほかには、純正ハンドルにつけるタイプのスペーサーもある。これは純正ハンドルの根本に入れるタイプ、ハンドルはそのまま全体に手前に来るようになる。

◆シートポジションを下げるのも乗りやすくなる有効手段

スポーツシートに交換すると、ヒップポジションが下げられることが多い。そうなると目の位置も下がる。過度に下がりすぎると前方視界を妨げてしまうが、少し低めの方が疲れにくくなりオススメ。アイポイントが下がると、必然的に目線は遠くになる。運転中は遠くを見ていたほうが目も疲れにくいし、交通状況などを早めに把握できるので、安全性も上がる。男性で170cm程度など、数センチシート位置を下げても前方視界が悪くならず、目線が遠くになって乗りやすいハズ。レーシングカーでは重心位置を下げたいのでシートを低くしているのもあるが、速度が高くなるほど遠くを見てドライビングしなければならないので、シートを下げたいのだ。

そうなると、今度はハンドルが高く感じるようになる。そこでハンドルを固定しているボルトにかませるスペーサーが売られている。これを使えばハンドルを数センチ下げることができ、下げたシートにマッチした高さにすることができる。また、ハンドルはフロア下から斜めに生えているので、ハンドル位置を下げれば若干手前に来るようになり、ハンドルが遠く感じることも解消できる。

これらのパーツを駆使して自分用のシートポジションを作り上げれば運転しやすく、疲れにくくなる。レーシングドライバーは当然レースカーでも細かく調整し、手直しを加えている。街乗りだけであっても、運転しやすい姿勢になれば、得られるメリットは大きい。


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《加茂新》

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