車齢の延伸や半導体不足による新車の納期遅延により愛車を長く大切に乗る人が増えている。それに伴い、愛車を綺麗に保つサービスのニーズは高まっており、中でも一般のユーザーにとって手軽な洗車やコーティングなどは様々な企業がサービスを展開し、活況を呈している。
そんな中、ここ数年飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けているのが、洗車およびカーコーティングサービスを展開するKeePer技研株式会社(以下、KeePer技研)だ。最近、ガソリンスタンドなどで“KeePer PRO SHOP”という青い看板を目にする機会が増えたと感じる人もいるのではないだろうか。それもそのはず。現在、コーティング技術1級資格取得者が在籍する技術認定店であるKeePer PRO SHOPは、2022年9月末時点で全国に6,345店あり、まだまだ出店を拡大中なのだ。
そんなKeePer技研では、全国のKeePer PRO SHOPとKeePer施工店に所属するコーティング技術1級資格者および2級資格者を対象に、2014年から毎年「キーパー技術コンテスト」を開催している(※2020年と2021年はコロナ禍のため見送り)。今回、編集部では10月14日(金)に3年ぶりに開催された「第7回 2022年 キーパー技術コンテスト/全日本チャンピオン決定戦」を取材。その模様をお伝えする。
技術力向上とお客様の笑顔のために
「キーパー技術コンテスト」は、全国の施工者の技術力向上によって、高い品質のキーパーコーティングを提供し、よりお客様に喜んでいただくことを目的に開催されている、KeePer技研では「人材の確保と教育」に注力しており、全国16ヶ所にトレーニングセンターを展開。年間約50,000人の研修生が学び、検定を行い、1級技術資格者を全国に送り出している。
今回の「第7回 2022年 キーパー技術コンテスト 全日本チャンピオン決定戦」も、上記トレーニングセンターの1つであるKeePer技研中央トレーニングセンター(愛知県大府市吉川町4−17)で開催された。3年ぶりの今回は、事前に行われた県予選を突破した49名の県チャンピオンと、シード選手として「元全日本チャンピオン」の4選手を加えた53名の選手がエントリー。決勝戦には前日の10月13日(木)に行われた準決勝を勝ち上がった11名が参加し、日本一の称号を懸けて熱き戦いが繰り広げられた。
KeePerコーティング日本一の称号を手にしたのは…
決勝の競技は“雨が降れば洗車したような美しさ”をコンセプトに、洗車の回数を減らす新しいカーコーティングとして同社が展開している「ecoプラスダイヤモンドキーパー」の施工を選手一人が対象車両1台に対して丸ごと施工する形で行われた。
採点基準は「特別採点表」に細かく設定されており、例えばガラスコーティングであれば、乾いたボディにガラスコーティング施工できているか、スポンジを動かすスパンは適正か、隅もワクも塗り漏れがないか、施工の手数と順番が適切か、などが採点対象となっており、これらに作業時間や品質の基準も加えられていた。なお、レジンコーティングについてもほぼ同様の基準が示されていた。
これらの採点基準を基に、選手1名につき採点者3名が付き、3名の平均得点が競技得点となる。また時間順位で競技順位上位5名までは加点もあり、競技得点+時間順位加点の総合得点が最も高かった選手が優勝となる。
競技が開始されると、選手たちは洗車→脱脂工程→ガラスコーティング→レジンコーティング→仕上げという基本的な流れに沿って作業を進めていく。それぞれの選手たちはこれまでの技術を遺憾なく発揮し、決勝の施工車両である黒のボディカラーのプリウスがみるみるピカピカになり、艶を帯びていく様子が見て取れた。
100分に及んだ競技が終了すると、どの選手も汗を拭いながら、思い思いの表情を浮かべ、結果を待っている姿が印象的だった。その後、厳正なる審査を経て、採点結果が発表され、株式会社三ッ輪商會 Dr.Drive南郷通店の安藤祐子さんが第7回2022年キーパー技術コンテスト優勝という栄誉を手にした。
なお、安藤さんは女性として初めて第4回大会で全日本チャンピオンに輝いており、日本一となるのは2度目。「2回目のチャンピオンになることができて嬉しいです。これからもっとたくさんのお客様のために頑張りたいです」と笑顔で話す安藤さんの姿は筆者の目に頼もしく映った。
KeePer技研が考える洗車とコーティングのこれから
なお、注目すべきは女性である安藤さんの優勝はもちろんのこと、11名のファイナリストの割合が男性6名に対して、女性が5名と男女差がほとんど無かったことだ。また、KeePerの施工技術は、ボディへの磨きや拭き取りに対する滑らかさや柔らかさ、細かな作業に対する集中力などが重要で、筋力や体力といった女性がハンディになるような作業がほぼ無いということも特徴と言える。実際にKeePer技研が運営する、カーコーティングと洗車の専門店である“キーパーLABO”では、女性の店長も多く活躍しているとのことで、男性が多いイメージの業界の中では異色と言えるのではないだろうか。
人の手を介して行われる洗車やコーティングの作業は、施工者の商品理解力や技術力が物を言う。その意味で業界のリーディングカンパニーであるKeePer技研がこうした大会を毎年行っていることには業界活性化の意味でも大きな意義がある。またその一方で今回の決勝で施工されたecoプラスダイヤモンドキーパーは、洗車の回数自体を減らし、節水や節約に繋げ、社会に貢献する商品として同社が力を入れているものだ。
今後もこのような大会を通じて正確な技術の向上と共有、そして施工者のレベルアップが図られていくことと同時に、同社から洗車やコーティングの新たな可能性が示されることを期待したい。