TURING(チューリング)は3月15日、画像生成AI「Stable Diffusion」をフル活用してデザインした「完全自動運転EV」のコンセプトカーを公開した。
チューリングは、将棋ソフト「Ponanza」の開発者としても知られるプログラマーの山本一成氏と、GMで自動運転ソフトウェアの設計・開発を担当したエンジニア 青木俊介氏が2021年に設立したスタートアップ企業。「テスラを超える自動車メーカーを作る」を目標にAI自動運転システムの開発に取り組んでいる。
今回公開したコンセプトカーはチューリングが2030年に1万台の販売を目指す「完全自動運転EV」をイメージしたもの。コンセプトカーのデザインは、カーデザイン領域で長年の経験を持つ日南と共同製作した。
両社はデザインの方向性を協議した上で、まずは複数のキーワードを抽出。それをプロンプト(AIへの指示テキスト)に起こしStable Diffusionで大量の画像を生成した。生成された画像をカテゴライズした上でプロンプトの調整と画像生成を複数回繰り返し、まずは二次元のデザインイメージを確定。さらにそこからマニュアルでの微調整とデジタルモデリングやCGレンダリングといったプロセスを通じて三次元のデザインデータを完成させた。
静的なイメージにとどまらず、デジタルモデリング、CGレンダリングを実施し、フルカラー3Dプリントによるスケールモデル、走行アニメーションやARデータまでを製作した事例としては「世界初」となる。
なおチューリングではこの他にも、「THE FIRST TURING CAR」に搭載した自社エンブレムのデザインプロセスにおけるStable Diffusionの活用や、初の自社工場となる「Turing Kashiwa Nova Factory」のネーミングにChatGPTを活用するなど、業務のあらゆるシーンでAIを活用しており「AIネイティブ」な事業推進を行っている。