3月30日に開幕した国内最大級のペット関連イベント「インターペット」には、国内外から600社を超える企業が出展。その中でも、愛犬とのドライブに親和性が高そうなアイテムであるペットカートを紹介する。
◆ペットの家族化
2022年に新しく家庭に迎えられた子犬などは42万6000頭にのぼり、過去10年で最も多い新規飼育頭数となった(ペットフード協会調べ)。これは世界的な傾向で、コロナ禍の影響で在宅時間が長くなったり、癒しを求める人が増えたりしたことなどが主な要因とされている。日本ではフードや医療費などの支出も年々増えており、“ペットの家族化”が進んでいるとも言われている。
◆愛犬家と親和性の高いクルマ
家族の一員である愛犬とは、「お出かけも必ず一緒」という飼い主は多い。周囲への気兼ねが不要なこともあり、愛犬家はクルマで出かけるケースが多いだろう。ホンダアクセスが「Honda Dog」ブランドでペット用車載用品を手掛けたり、トヨタが新型『シエンタ』の発表会やテレビCMに犬を採用するなど、自動車メーカーも動物関心層というセグメントに注目している。また、高速道路にドッグランのあるサービスエリア(SA)が増えていることからも、ドライブに愛犬を伴う人は少なくないことが分かる。
クルマに愛犬を乗せる場合、最も気になるのが安全面だろう。もしもの時、人間はシートベルトやエアバッグに守られるが、犬を対象とした安全装備はない。大切な家族の一員であれば、可能な限りの安全対策を心がけたい。
◆ドライブ中のシェルターにもなるエアバギー
インターペットには、国内外から600社を超える企業が出展した。その中で、愛犬とのドライブにおいて注目なのが「エアバギー(AIRBUGGY)」。三輪のベビーカートから始まったこのブランドは、赤ちゃんを乗せるシートをバスケットやコットに取り換えれば買い物用のカートやペット用のバギーとして使うことができる。
同社のベビーカート特有の“押し心地”の軽さは、ユーザーから「疲れないので、無意識のうちに歩く距離が長くなる」と好評だという。ペットカートとして使う場合、ドライブでは便利さ以上に大切なメリットがある。犬用の“シェルター”として活躍してくれるという点が。
コット部分はシートに簡単に固定することができる。チャイルドシートと同様、ISO-FIXアンカーを使用して取り付けられるので安全性も高い。コット内に設けられたフックに首輪やハーネスを繋いでおけば、もしもの時の衝撃から愛犬を守ってくれるだろう。
◆飛び出し防止などにも役立つペットカート
ドライブでは、各地のSAで土産物を買ったり食事をしたりするのも楽しみの一つだろう。クルマを停めてドアを開けた際、犬が興奮して飛び出し、事故にあったという痛ましいニュースを聞くことがある。慌てて愛犬を追いかけた飼い主が、クルマにひかれてしまったというケースもある。コットに入っていれば、こうしたアクシデントは防ぐことができる。
さらにドライブ中だけでなく、休憩時の安全にもペットカートは強い味方になる。混雑した場所では足元が見づらいため、小型犬が歩く場合は危険が伴う。飲食店のテラス席では、食べこぼしが足元に落ちていることもあり誤食のリスクもある。そんな時にもカートが役に立つ。犬たちの安全なスペースになると同時に、飼い主と同じ目線でいられるので“家族”としての一体感も得られるだろう。
エアバギーのペット用品担当者は、「最初は(ペットカートに)少し抵抗感のあるお客さまもいらっしゃいますが、エアバギーは色々な使い方ができます。わんちゃんも飼い主さんも、安心して快適にお出かけを楽しんでいただけるように今後も商品開発を続けていきます」と話す。
◆好みの色を選ぶ楽しみ
今回のインターペットでは、春の新色「URBAN WHITE(アーバンホワイト)」と「URBAN STONE(アーバンストーン)」が登場。都会的な印象で、機能面だけでなくファッション性も高く、街歩きにも合いそうだ。
エアバギーはフレームやコット、ハンドルや小物類まで好みに応じてカラーの組合せを選ぶことができる。カラフルでポップな仕様からモノトーンでまとめたモード系など、様々なアレンジが可能だ。そのほか、タイヤもオフロードタイプに交換できるなどカスタマイズ性の高さは、ある種クルマに通じるものもありそうな印象だ。