クルマを乗り続けていくなら必須なのはメンテナンス。パーツを交換するなら、どうせならパフォーマンスアップするものに変えたい。メンテついでのチューニングならお得に性能アップが可能だ。
例えばオイル交換。1年や1万kmなどの目安でオイル交換が必要になるが、どうせならちょっと良いオイルにすると、エンジン音が静かになったり、滑らかなフィーリングになったりする。これも立派なチューニングである。そんなメンテナンスのついでちょっと使うパーツを変えれば、走りをもっとグレードアップさせることも可能なのだ。
◆メンテついでのオススメチューン1:エンジンオイル
純正オイルはもちろん過不足ない性能を持っている。しかし、もっと良いオイルもある。ここでオイル選びで気をつけたいのは規格と粘度。クルマによって「API規格のSN以上を使うこと」など、使うオイルが定められている。この規格に合致しているものであれば安心して使えるので、まずは規格が合致しているかで選んでもらいたい。
最新のダウンサイジングターボエンジンに古い規格のオイルを使うとLSPI(低速異常燃焼)と呼ばれるノッキングに近い現象が起き、パワーダウンや燃費悪化を招くことがある。
また粘度も同じでエンジン内部のさまざまなことを考慮して純正指定粘度が定められているので、安易に粘度を変えるのは危険。指定よりも低粘度にすれば燃費アップするわけではなく、油膜切れのリスクが伴う。
逆に純正指定よりも粘度を高めれば、オイルがヘッドからリターンするのが遅くなり、オイルパンにオイルが足りなくなって潤滑不足というトラブルを起こすこともある。
◆メンテついでのオススメチューン2:ブレーキホースをメッシュ化
ブレーキホースはそうそう定期交換する人もいない。しかし、ゴムホースが10年も15年も使えばヒビが入ったり、カシメからオイルが漏れたりすることもないわけではない。
もしも突然ブレーキフルードがドバッと漏れてしまったら、ブレーキは一気に効かなくなる。サイドブレーキくらいしか頼るものがなくなってしまう。なので、ブレーキホースは純正品でも10年ごとくらいに新品にするのがオススメ。
そのときにどうせならメッシュホースにするとフィーリングもよくなる。メッシュホースはブレーキパーツメーカーなどから発売されているもので、純正ホースと同じようにゴムなどの伸縮するホースだが、その周りを金属製のメッシュで囲んである。
ブレーキ踏んで液圧が高まるとホース自体も膨らんでしまうので、それによってペダルタッチはふわっとしているが、金属メッシュで膨らまないように締め付けることでペダルタッチがシャープになる。ブレーキが一気に使いやすくなる。
純正ホースのまま10年以上乗っているならすぐにでも交換してもらいたい。ちなみにメッシュホースに交換してあっても、経年劣化によるトラブルを防ぐために10年ごとくらいには新品に交換してもらいたい。
◆メンテついでのオススメチューン3:プラグを高性能プラグに
純正プラグはいまどき10万km無交換など長く使えるものがほとんど。しかし、走行数万kmでも新品にすればアクセルレスポンスがよくなったり、加速力が少しよくなったりと変化はある。
純正品の10万kmは、その距離になったら絶対交換が必要と考えて、その距離よりも早めに交換したほうがフィーリングは良かったりする。
そこでどうせなら高性能プラグを使いたい。NGK RXでは燃焼しやすくなるように特殊な形状を採用。外側電極が燃焼の邪魔をしないように白金チップ突き出しを設け、火花が飛んだ真上にスムーズに炎が燃え広がるようになり、燃焼効率アップが可能だという。こういった高性能品があるので、どうせ変えるなら適合したハイパフォーマンスなプラグを選びたい。
◆メンテついでのオススメチューン4:強化ブッシュ
サスペンションアームの支持部にはゴムブッシュが使われている。経年劣化で徐々にグラグラになってしまい、アライメントが不安定になってハンドリングが曖昧になる。
10万kmとか、スポーツ走行をするならもっと短い距離で新品にリフレッシュしたい。そこでせっかくなら強化ブッシュにする手もある。
強化されたゴムブッシュやウレタンブッシュにすれば硬いブッシュになり、よりアライメント変化の少ないシャープなハンドリングが得られる。エンジンマウントのように硬くしてもほとんど快適性に影響はないので、リフレッシュついでの強化によるデメリットはまずない。しいていえば、ややパーツ代が高いくらい。純正新品でも十分リフレッシュになるが、せっかくなら強化ブッシュがオススメだ。