「40%の賃上げ」という、とてつもない要求はかなわなかったようだが、全米自動車労働組合(UAW)が、ゼネラルモーターズ(GM)と労働協約についても暫定合意し、「ビッグスリー」と呼ばれる米自動車大手3社に対する史上初の同時ストは、1カ月半ですべて暫定合意に達し、終結することになったという。
きょうの各紙にも「米自動車労組スト『勝利宣言』、25%賃上げ大手3社と合意」などと経済面に大きく取り上げている。
◆米大統領も「歴史的な合意だ」
UAWの発表によると、2028年4月までの契約期間中、基本賃金が25%引き上げられる。初任給は生計費調整額と合わせて70%増え、時給30ドル(約4500円)以上になる見通しだ。
UAWのショーン・フェイン会長は、SNSに投稿した動画で「私たちは再び驚くべき勝利を収めた」と宣言。UAWを重要な支持基盤とするバイデン米大統領も「歴史的な合意だ」などと、歓迎のメッセージを述べたとも報じている。
◆EVの開発競争を勝ち抜いていけるか
米コンサルティング会社アンダーソンエコノミックグループの試算によると、1カ月半に及んだストによる自動車業界の損失は93億ドル(約1兆4000億円)に達したとみられており「自動車業界や米経済に与えた打撃は大きい」(読売)と指摘。
一方、4年半で25%の賃上げに対するビッグ3のコスト負担は197億ドル(約2兆9400億円)にのぼるとの試算もあり、「電気自動車(EV)の開発競争を勝ち抜いていけるかは未知数だ」(日経)とも伝えている。
2023年11月1日付
●長期金利上限「1%めど」日銀決定会合、一定の上昇容認(読売・1面)
●米ビッグ3スト終結へ、基本賃金25%上げ、GM暫定合意(読売・10面)
●トヨタ米EV電池工場に1.2兆円(読売・10面)
●止まらぬ円安一時151円台(朝日・2面)
●ANAと日航損益大幅改善、9月中間決算(毎日・7面)
●SBI半導体工場、台湾大手と、宮城に新設(産経・10面)
●280社連合水素ファンド、トヨタや三井住友、脱炭素、民主導で(日経・2面)
●損保、車保険の査定厳しく、ビッグモーター不正受け(日経・8面)
●BYD、次の成長源は海外、低コスト生産体制カギ(日経・10面)
●トヨタ系8社の今期最終、デンソーなど5社、最高益(日経・17面)
●JR本州3社、純利益2倍、4~9月合計、運輸収入、コロナ前の9割(日経・19面)