スナップオン・インコーポレーテッドが製造および認定する工具、自動車用保守・整備機器、測定機器、検査機器の輸入販売などを行うスナップオン・ツールズ株式会社(本社:東京都江東区/則武秀昭代表取締役)は、高度な故障診断にも対応する同社の整備用スキャンツール「 MTG シリーズ」の最新モデルと OBD 検査に準拠した検査用スキャンツールのハイブリッドモデルとして「MTG-NANO-SET」(エムティージーナノセット)の販売を1月より開始した(型式認定申請中)。
OBD検査と検査用スキャンツール
OBD検査では、保安基準となるDTCを「特定DTC」としてあらかじめ自動車技術総合機構のサーバーに蓄積し、自動車からDTCをスキャンツールを通して読み取ることで「特定DTC」に適合するかの確認を行うため、検査には「検査用スキャンツール」を使う事が必須となる。一方で検査用スキャンツールには、検査のみのツールや整備用も兼用できるものを始め、車両受付も行えるPCも一体になっているものなど様々なタイプがあり、検査を行う整備工場は自社の検査体制に合ったものを選ぶべきである。
【OBD検査の大まかな流れ】
今回スナップオン・ツールズが発売した「MTG-NANO-SET」は整備用と検査用どちらにも使用できる兼用タイプ。次世代の車両通信規格イーサネットに対応し、車検証情報の読み取りは二次元コードに加え、IC リーダー機能を搭載。診断機能としては新たに国産のバイク5メーカーを加えた28メーカーに対応していることが特徴だ。なおEDR(イベ ント・データ・レコーダ)の読み取りも新たに対応した。
各種表示や操作を行うタブレットは Surface Go 4、OSには Windows11Pro を採用し、セキュリティ面の強化が図られている。また特殊機能として、 OBD 検査「特定 DTC 照会アプリ」用の J2534(VCI)ドライバーをインストール済であり 「特定 DTC 照会アプリ」をインストールすれば、すぐに OBD 検査が可能となっている。
またタブレットのカメラ&IC リーダー車検証の読み取り機能強化も見逃せない。タブレットのカメラによる車検証の二次元コード読み取りに加え、IC チップの読み取りに対応。整備作業中の撮影や故障部品の撮影に加え、エーミング時の撮影画像は作業レポートに入れ込みができ、各診断結果は普段のプリンターから印刷することも可能とのことだ。
なお、アフター保証については、スキャンツールの使い方から、故障コードが出たものの、修理方法が分からない等の修理に関する問い合わせに対応するサポートセンターが初回1年間は無料(2年目以降有料)で利用できるほか、ライセンス期間満了前の期間延長申し込みで VCI (車両通信インターフェース)のみ、本体保証が自動で延長されるロングライフ保証も付帯されている。