マッサージ機能付きシートなど「快適&エンタメ空間」を実現する後付け内装パーツが満載【アウトメカニカ上海2024】 | CAR CARE PLUS

マッサージ機能付きシートなど「快適&エンタメ空間」を実現する後付け内装パーツが満載【アウトメカニカ上海2024】

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マッサージ機能付きシートなど「快適&エンタメ空間」を実現する後付け内装パーツが満載【アウトメカニカ上海2024】
マッサージ機能付きシートなど「快適&エンタメ空間」を実現する後付け内装パーツが満載【アウトメカニカ上海2024】 全 7 枚 拡大写真

12月2日~5日まで、中国・上海のNational Exhibition and Convention Center 14ホールで開催されたアジア最大規模の国際自動車産業見本市『アウトメカニカ上海 2024』では、VIP専用の送迎車向けに開発された後付けの内装カスタマイズパーツが数多くあり、実に興味深かった。

上海をはじめとする中国の都心部に本社オフィスを構える中国企業は、都心から車で1時間以上かかる江蘇省や浙江省などに巨大な生産工場を建設しているケースが多い。このため経営者が自社工場に訪れたり、海外顧客の工場視察などを受け入れる際には、VIP専用の送迎車で歓迎するのが中国のビジネスマナーとして定着しているらしく、社用車として大型の高級乗用車を保有し、内装に様々なカスタマイズパーツを後付けして、車内を快適なエンターテイメント空間にするニーズが一定数あるという。

自動開閉するアコーディオンカーテン

法人向けの内装カスタマイズ関連商材を幅広く取り扱うサプライヤー「盛阁汽车窗帘(Shengge car curtains)」のブースでは、送迎車向けの車内カーテンが多数展示されていた。

スタッフに近年の市場傾向を尋ねたら「日焼け対策としてUVカット性能があるカーテン生地が人気。生地の種類や多彩なカラーバリエーションが揃っており、これまでの主流は手動で開閉するタイプだったが、利便性向上を目的として、自動開閉できるアコーディオンカーテンを新たに開発し、今回の展示会に出品した」とのこと。ターゲット層は、ラグジュアリーな車内空間を好むシニア層のVIP向けで、中国はもちろんだが日本でも展開したい意欲があると話していた。

LED電飾やソーラー電源のディフューザー

盛阁汽车窗帘のブースでは、成都市锋茂卡科技有限公司(Chengdu FunModifiedCar Technology Co., Ltd)が制作・販売する後付けのLED装飾パーツもあった。

テスラやBMWの車両などに後付け可能で、専用アプリで電飾のパターンやカラーなどを細かく設定でき、音楽に連動する自由度の高い照明演出を行えるという。車内でカラオケやゲームなどを楽しむVIP向けのインテリアLEDパーツとして一定のニーズがあるようだ。

また、成都市锋茂卡科技有限公司の新製品としてディフューザーも出品。特徴を尋ねたら「ソーラー電源で温めて香りを噴霧するタイプのため大掛かりな取付施工の必要がありません。本体底面に付属する接着テープを剥がし、日が当たるダッシュボードなどに設置するだけでOKです。アロマはカートリッジ交換できます」と教えてくれた。

運転席用もあるマッサージ機能付きシート

長距離運転や長い乗車での疲れを軽減したり、介護が必要な高齢者向けの商材として、マッサージ機能付きシートを強く訴求している中国企業も多かった。例えば、广州横泓汽车配有限公司(GUANGZHOU HENGHONG AUTO PARTS Co., Ltd )のブースでは、助手席、後部座席だけでなく、運転席にも設置できるマッサージ機能付きの後付けシートが展示されていた。

背もたれだけでなく、ふくらはぎもマッサージできる後付けパーツや、コンソールボックス内にミニ冷蔵庫や保温機能付きのドリンクホルダーもあった。また航空機シートのように後部座席用のテーブルを展開・収納できる後付けパーツもあり、ボタンのON・OFFでテーブル展開が自動化され、手動による手間がない設計になっていた。

さらに、山东明澳汽车科技有限公司(Shandong Ming Ao Automobile Technology Co., Ltd.)のブースでは、足腰が弱く歩行が困難な高齢者や介護が必要なユーザー向けとして、マッサージ機能付きシートに車輪を付けて車椅子にし、後部座席にセットできる製品が展示されていた。同シートに着席したユーザーが車両から降りたいときはロックを解除してシートをスライドさせ、背もたれの後ろに設置されたバーを介助者が手で押して車椅子を前進させる仕様になっていた。

今回の「アウトメカニカ上海2024」で目にした後付けの内装カスタマイズパーツは、日本では見かけないユニークなものばかりで、利便性や娯楽性向上への強いこだわりを感じた。手動の車内カーテンはすでに日本で販売されているようだが、ミニ冷蔵庫&保温ドリンクホルダー付きコンソールボックスをはじめ、音楽連動のLED装飾パーツやソーラー電源ディフューザーは日本向けに販売されていないようで、各ブースのスタッフたちは日本市場への進出に意欲的だった。自動ブレーキをはじめとするADAS搭載車への後付けで不具合が発生しないカスタマイズパーツであれば、日本で展開される可能性もありえるのではないだろうか。中国発の内装パーツの動きに注目したい。

《カーケアプラス編集部@金武あずみ》

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