愛車乗り換えを機に新たなオーディオシステムの搭載を計画。そこで現在販売されているカーオーディオ製品を色々と眺めてみた。今回は“満足度が高くてコスパが良い”ことをコンセプトに製品をチョイスしていくことにする。
◆ソースユニットとなるカーナビゲーションは速攻で決まる
クルマ選びで必ず決めているのが『2DINスペースのある車両』ということで、その理由として、目的地までの道順はカーナビゲーションに頼り切る自分にとって、純正ナビが使いにくい。そもそも今どきのクルマに2DINスペースなんて無いじゃん、というご意見があるのは重々承知しているけれど、意外と新型車にオーディオレス設定が用意されている事もある。
市販ナビは各社が積み上げてきた経験と実績で、ナビ性能はもちろんの事、エンタメ性能も独自の方向で磨いてきたものだ。その中で自分が必要と思う機能が搭載されている製品を選ぶ事が、装着時の満足度を高める事となる。
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そして今回愛車に搭載するのはcarrozzeria サイバーナビ AVIC-CL912IV-DCだ。選んだ要素の1つめは“ルート案内が正確”なことで、地図画面が見やすいのはもちろんの事、GPSが受信しにくい場所でも自車位置がずれることがほとんど無い。そしてリアルタイムで渋滞情報をルートに反映させるスマートループが活用出来ることだ。
2つ目は定額使い放題のネットワークスティックが使えること。初年度は無料で使えるけれど、2年目以降も1年プランで1万3200円(税込)で使う事が出来る。コロナ以降オンラインでやり取りをする事が多くなり、急な打ち合わせや作業をする事があって安定したdocomo LTE回線を無制限で繋げられるのは非常に便利。端末最大5台まで同時接続可能なので、同乗者が自分のスマホでストリーミング系のサービスを利用しても問題無し。長距離移動が多い場合は強力な武器となる。
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3つめはオーディオ機能が充実していることで、タイムアライメントやクロスオーバーといったしっかりとした調整機能が備わっていること。サイバーナビは調整機能はもちろんの事、同社が持つハイエンドオーディオの技術を活かした業界最高峰の高音質設計であり、特に内蔵されているパワーアンプの能力はヘタな外部アンプを上回る性能を持つ。今回はシンプルなシステムを目指しているので重要視した部分だ。
◆音の出口となるスピーカーは選択肢が多い
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“なんで純正で音が出ているのにお金かけてスピーカーを交換するの?”と言われることがある、それもまぁまぁな頻度で。確かに仰るとおりで、音を聴くという事に関しては純正スピーカーでも聴くことは可能だ。でも自分の感覚ではどうせならちょっと美味しいものを食べたい、どうせならちょっとカッコいい靴を履きたい、の延長線上に純正よりもちょっと良い音を聴きたい、が存在する。そう思ったならば、あとは予算の問題となり無理しない範囲で製品を選ぶ事になる。
純正スピーカーからトレードインで交換出来るスピーカーは“カスタムフィットスピーカー”と呼ばれる事が多く、各社のラインナップを見てみると大凡2種類、3段階に分かれている。
まずはコアキシャルスピーカーとセパレートスピーカーがあり、コアキシャルスピーカーは真ん中に高域を担当するツイーターが装着されているタイプとなり、高域から低域までを1つのユニットで再生することが可能なスピーカーだ。セパレートスピーカーはツイーターとウーファーが別体の製品で、ツイーターを純正ツイーターと入れ替えたり、ダッシュボード上などへ設置したりと自由度があり音質的にも有利となる。そして価格面で考えると~2万円、~4万円、~10万円程度で3段階に分かれてくる。
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純正スピーカーよりも音を良くしたい! で考えれば~2万円でも満足出来るだろう。そこでもっともっと! と思った場合に上の選択肢が候補として上がってくる。一番オススメ出来るのがボリュームゾーンな事もあって各社が一番力を入れているであろう~4万円の製品で、スピーカーを換えた感もあるし質的にも想像以上に高いのがこのクラス、迷ったならこれ!と言える価格帯だ。そして今回自分が選んだ製品はカスタムフィットスピーカーとしては高価格帯となるcarrozzeria TS-V174Sで7万9200円(税込)の製品だ。
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これを選んだ理由としては、とにかく“価格に見合わない高音質”だったことが一番で、初めてこのスピーカーを試聴したときに“材料も高騰しているし12万~15万円ぐらいかな、Vクラスも高くなったもんだ”と勝手に想像していて、価格を聞いたときにかなり驚き、7年ぶりのモデルチェンジでここまで進化できるのかと想像を軽く超えてきた製品だった。この価格帯に手が届くのであれば是非とも手に取って欲しい製品だ。
◆低域だけじゃないサブウーファーの重要性
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サブウーファー=低域再生と思っているユーザーが多いと思う。確かにそれは間違いじゃないのだけれど、実はサブウーファーによって低域から高域までの音の厚みが変わってくるのだ。簡単に説明をすれば音には“倍音”というものがあって、サブウーファーが再生する低域からの倍音が中高域にも乗る事で全体の音に影響を与えるので結果的に低域だけじゃなく全体のクォリティアップが望めるのだ。
今回はシンプルでコスパの良い製品選びなのでパワーアンプが内蔵されているチューンナップウーファーを選ぶ事にする。自分の基準は2つあって、1つは芯のある深い低音を再生出来ること。正直これは製品スペックを見ても書いてあることじゃないので、普通には判断出来ないと思うけれど、今まで数多くのチューンナップウーファーを試聴してきた経験から言うと、“筐体が強い事”が重要だったり、当たり前だと言われるけれど製品価格が高ければ高いほど希望の音に近づいていく傾向だ。
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基準の2つめは出来るだけ省スペースで設置出来て、ある程度は雑に扱っても壊れないこととなる。これは単純に、遠方取材時には荷物が満載となって、製品の上にも容赦なく物を置けるようにしないと仕事にならないという事があるからだ。
以上の条件を満たす製品として選んだのがミドルクラスの薄型チューンナップウーファーcarrozzeria TS-WH500Aとなった。素直に言ってしまえばソースユニット/スピーカーをcarrozzeriaにしたならば、チューンナップウーファーも揃えようかな? という考えもあって、再生能力/コスパの良さを同社のラインナップで比べた結果のチョイスとなった。
◆製品の能力を生かし切るならプロショップがオススメ!
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今回の製品取り付けは、カーオーディオの取り付けでお世話になっている、茨城県守谷市のクァンタムにお願いすることに。ある程度の知識があればDIYで装着する事も可能だし、ぜひチャレンジして欲しいと思う半面、ソースユニットに調整機能がある場合には、DIYとプロショップでは大きな差が生まれてくる。取り付け方によって調整の効果も変わってきてしまうのでオーディオの性能を最大限発揮させたいと思うのであれば製品選びの段階からプロショップに相談するのが一番確実だ。
でもプロショップって高いんでしょ? と思われてしまうが、各ショップでユーザーの手が届くビギナープランを用意している場合が多いので、近くのカーオーディオプロショップHPを見てみて欲しい。
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ソースユニットとなるサイバーナビは8インチが装着出来るクルマだったので、フェイスパネルを交換すれば装着可能。フロント2way+チューンナップのシステムなので、各ユニットを調整出来るマルチ接続にするためにスピーカーケーブルも引き直している。
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スピーカーの取り付けでは、せっかくなのでより強固に固定できる高音質インナーバッフルであるcarrozzeria UD-K624を使用して、ドアにはビギナークラスのデッドニングを行った。これで不要な振動を抑えることでスピーカーの性能を発揮させやすくなるための下地となる。もっと予算があればデッドニングを強化したり、より強固にスピーカーを固定できるショップオリジナルのバッフルもあるので選択肢に入れて欲しい。
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ツイーターはダッシュボードにポン置きで、Vクラスのツイーターは36mm口径なのでなかなかのインパクトがある。このクルマの場合には視線を遮らずに設置出来たので問題無いし、ローズゴールドの振動板が高級感を出してくるので見た目も上品で華やかだ。
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チューンナップウーファーは、配線を引いてきてラゲッジスペースにマジックテープで固定したポン置き状態。フラットなスペースが減ることにはなるけれど、容赦なく荷物を置いているので今の所は問題なしだ。
全ての取り付けが完了してクァンタム代表の土屋氏に調整をしてもらい、このシステムの素直な感想を聞いてみると、
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「とにかく高品位な音だね、解像度も高いし音数も豊富。新しくなったVクラスは初めて調整したけれど、前モデルに比べて良くなっているのはもちろんの事、大人になったなぁという印象。誰が聴いても良い音だなと思える懐の深さがあるスピーカーに仕上がってるね」
との評価。実際に自分で聴いてもとにかく綺麗で透明感のある音で立体感ある音場は満足度は高い。走行中にロードノイズや風切り音が混じったとしてもちゃんと輪郭ある音が聴けるので、走行中の方がスピーカーを換えた感が強いかも知れない。自分にとっては運転中の音が凄く重要な要素となるので今回のシステム構築は凄く満足度の高い仕上がりとなった。
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出来上がってから約1か月が経過した頃、しいて言えばもうちょっと力強いメリハリが欲しいなと思ったので方法を考えていると、搭載されているバッテリーが数年前から交換されていないことに気付いた。そこで奮発して徐々に普及してきているリチウムイオンバッテリーへ換装したのだが、選んだ理由は2つある。
1つはCCA(コールドクランキングアンペア)という数値で、低温時に供給できる電流を測定したもの数値となり、数値が大きいほど大きな電流を供給出来るということだ。通常のバッテリーだとCCA400~600程度が多いのだが、今回のリチウムイオンバッテリーはCCAが1000と倍近い数値。オーディオにとって電気はかなり重要な要素なので効果はかなり大きい。2つめはクルマを軽量化できることで、今回換装した46B24Lというサイズの場合、通常のバッテリーだと12kg前後で、リチウムイオンバッテリーだと半分の6kg程度となる。
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実際に換装して変わったのか? と言われたら“メチャクチャ”変わったと言え、音の厚みが断然増して弾むように再生されるので楽しすぎる。もちろんセルの掛かりも良くなったし、お金がかかる以外に悪い事は無かったので、予算に余裕があればバッテリー交換も検討してみよう。