5月24日、人材開発センター富士研修所(山梨県富士吉田市)において、富士トリコローレ2026が開催された。主催はチンクエチェント博物館。
主催社であるチンクエチェント博物館は、小さな欧州車を中心に、直しながら使い続けること。そして、クルマと人との関係性を未来に繋いでいくことを大切に活動。そのひとつはその名の通りフィアット『500』を中心にレストアだけでなくフォーリセリエと呼ばれるユーザーの好みに合わせて内外装に手を入れたり、EVへのコンバートなど様々な取り組みを行っている。

その一方で、様々なイベントも手掛けており、それは“移動博物館”と位置付けられている。実際に使われ走り続けている参加車両を、風景の一部として並べることで、新旧様々なクルマを目にすることができ、かつ、オーナー同士、あるいは来場者とのコミュニケーションを図ることで、クルマに関する世界感の広がりを期待しているのだ。

富士トリコローレもその考えを踏まえ、欧州車を愛するひとたちのための集いだ。富士山麓にクルマを並べ、日常をちょっぴり忘れて非日常を過ごすイベント。たくさん集まるにぎやかさよりも、1台1台それぞれの物語や、オーナー同士や来場者との対話を大切にしたいという思いが込められている。「富士の風を感じながら愛車との時間をただ楽しむ。そんな贅沢な1日を目指しています。そして主役は参加者とその愛車です」と主催者はコメントする。

実はこのイベントはコロナ禍などにより休催していたが、昨2025年10月に復活したものだ。会場も同じだったが、あいにくの曇りで富士山がなかなか姿を見せなかった。そこで今年は前倒しで新緑の中、富士山が見えて、かつ晴天率の高い日を選び開催。しかし開催直前まで雨にたたられ、その後雨は上がり薄日は指してきたものの残念ながら富士山は姿を見せることがなかったのは残念だった。
しかし、天然芝の会場を見渡すと、300台近い新旧様々な欧州車とそのオーナーや来場者が訪れ、そこかしこで楽しそうに談笑する姿が見られた。また、仲間同士での参加も多く、同メイクスを並べてボンネットを開けて覗き込み、また、普段修理はどうしているのかなどのトラブル自慢(?)も繰り広げられ、情報交換の場にもなっていた。

参加車両の多くは1990年代から2000年代の、いわゆるヤングタイマーが中心で各国多彩なラインナップが見られ、まさに移動博物館の様相を呈していた。

一方で、普段見なくなったなと感じられるクルマ達も多く、例えばランチア『テーマ』や、新車時は本当によく見かけたメルセデスベンツ『190』シリーズ、そして当時でもあまり見かけなかったオペル『スピードスター』や、そのオペルでは少し古いが『1900GT』も目にすることができた。




また、一部マニアには有名なポルシェ『930ターボ』(1989年)も姿を見せた。この個体は新車時からのワンオーナーで、大鶴義丹主演の実写版“湾岸ミッドナイト”の“ブラックバード”役の撮影車両そのもので、様々なチューニングを行った結果、実測600馬力、最高速は300km/h以上を誇っているという。

そのほかにもきれいにまとめられたクラシックミニの4ドアや、キャンピングカーを引っ張りながら現れたルノー『4』など、個性的なクルマ達も来場し、観客を大いに楽しませていた。


今回会場までの往復の足になってくれたのはステランティスジャパンが導入しているアルファロメオ『トナーレ』で、1.5リットルターボにマイルドハイブリッドを組み合わせたイブリダ・ヴェローチェだった。
電気残量があれば積極的にEV走行するので、おおよそだが街中で12km/l前後、高速で16km/Lほどを記録した。システム合計175psのパワーで1600kgのボディを引っ張るので期待値は高くなかったが、7速DCTのギヤ比が適切なので過不足ない加速性能を手に入れることができる。また、あえて過敏に仕立てられたハンドリングによって慣れるとコーナリング時は楽しさを覚えるだろう。日本で使うには最適なボディサイズなので、街中ではのんびりと、ワインディングではドライブモードを変えながら楽しめるSUVに仕立てられていた。



