子どもたちが「当て板」で鈑金体験! “本物”の道具や車両でチャレンジする姿にプロたちも熱視線…未来のクルマ社会を支える人材育成と、現場のプロの誇りを伝える二日間【ジュニアメカニック2026@福岡】 | CAR CARE PLUS

子どもたちが「当て板」で鈑金体験! “本物”の道具や車両でチャレンジする姿にプロたちも熱視線…未来のクルマ社会を支える人材育成と、現場のプロの誇りを伝える二日間【ジュニアメカニック2026@福岡】

イベント イベントレポート
子どもたちが「当て板」で鈑金体験! “本物”の道具や車両でチャレンジする姿にプロたちも熱視線…未来のクルマ社会を支える人材育成と、現場のプロの誇りを伝える二日間【ジュニアメカニック2026@福岡】
子どもたちが「当て板」で鈑金体験! “本物”の道具や車両でチャレンジする姿にプロたちも熱視線…未来のクルマ社会を支える人材育成と、現場のプロの誇りを伝える二日間【ジュニアメカニック2026@福岡】 全 16 枚 拡大写真

2026年10月3日(土)・4日(日)に、マリンメッセ福岡 B館・屋外展示場にて、小中学生とその保護者を対象とした自動車整備体験イベント『ジュニアメカニック2026@福岡』が開催された。

国土交通省 九州運輸局をはじめとする関連団体が主催する本イベントには、福岡県を中心とした近隣各地から二日間で1,220名の家族連れが来場。会場の各所では、真剣な表情や笑顔で体験に挑む子どもたちで溢れ、歓喜する声が響き渡り、親子で自動車整備や鈑金塗装の基礎を学ぶ姿が見られた。

プロ向け展示会と同時開催に込められた思い

『ジュニアメカニック2026@福岡』は、九州エリアを中心に自動車アフターマーケットビジネスに従事するプロ向けの展示会『オートアフターマーケット九州2026』と同時開催されている点に大きな意味があり、今回で3回目の開催を迎えた。自動車整備や修理を行っているプロたちが、自身の仕事に対する誇りや意義を家族と共有しながら、親子で自動車整備や修理について知ってもらい、将来の仕事として子どもたちに興味を持ってもらうことが大きな目的となっている。

体験コンテンツを提供するのは、九州エリアの自動車メーカー系ディーラーや建設機械・フォークリフト販売メーカー、自動車整備専門学校、各種団体などだ。注目したいのは、子ども向けに簡易化・玩具化されたツールではなく、プロが現場で実際に使用している本物の工具や設備を用意し、実車で体験できる点にある。

自動車ディーラーの整備工場に導入されている故障診断機(純正スキャンツール)などを用いて車両の不具合をチェックしたり、最新型車両のボンネットを開けて行う日常点検や、自身の体よりも大きな巨大な本物のエンジンのボルトを電動工具を使って分解したり、プロ仕様の塗装ブース内で塗装体験を行なったりと、他の自動車整備体験イベントとは一線を画する本物志向のコンテンツが用意された。

当て板を使う「鈑金」や「パテ付け」を体験

数あるプログラムの中で特に印象的だったのは、同時開催のプロ向け展示会『オートアフターマーケット九州2026』会場内に設けられたプロ向け塗装ブース内で、鈑金塗装の基礎を体験できる九州マツダによるプログラムだ。

幼い子どもたちにも作業の流れが分かるように、1枚のボディパネル上でパテ付け、パテ形成、サフ(下地塗装)、サフ研磨、塗装完了という5段階の工程を表現し、工程が進むにつれて表面が滑らかになっていく様子を手で触れて感じられる工夫がなされていた。

基本説明の後は、子どもたちが自らハンマーを打ち付けてボディパネルに凹みを作り、それを修復する体験へと進んだ。

凹んだパネルの裏側に「当て板」と呼ばれる金属製の受け台をあて、ハンマーで丁寧に凹みを叩き出していく様子をベテラン職人が実演を交えてレクチャーした。

当て板をあてている部分を叩くと音が変化することや、細かく複数回ハンマーを叩いて平滑にしていく繊細な作業に、子どもたちは真剣な面持ちで挑戦。その様子を隣で見守っていた保護者も興味津々で、職人から「一緒にやってみますか?」と声をかけられると童心に返った表情で、子どもと一緒に体験に参加し、職人から筋の良さを褒められて喜ぶ場面も見られた。

当て板を使う手法は鈑金の基本でありながら、現場のプロでも簡単にできるものではなく、手仕事の技術が求められるとても繊細な作業。体験した親子はもちろん、見学していたプロの来場者にとっても職人技の奥深さを実感する時間となったのではないだろうか。

続いて行われたパテ付け体験では、安全性を考慮してパテの代わりに白色の粘土を使用。職人が一瞬で綺麗にパテ付けを行う一方で、子どもたちがヘラを使うと全くうまく伸ばせず苦戦する様子が見られた。

その姿を見たベテラン職人は、ボディに密着させたい時はヘラを立て気味にし、成形したい時は寝かせて中央を高くするという使い方のコツを丁寧にアドバイス。その見事な手捌きに子どもたちからは歓声があがった。

仕上げにはクリアー塗料の代用として石鹸液をスプレーガンで吹き付け、ツヤのあるボディ肌に仕上がるプロセスを疑似体験した。現場経験が豊富なベテラン職人たちが安全面を最大限に考慮しながら、本格的な基礎を楽しめるよう工夫を凝らした貴重な体験コンテンツとなった。

自動車修理の現場は普段間近で見ることができないからこそ、幼い頃に保護者と一緒にプロのアドバイスのもとで本格的な体験ができる場があることは、業界への理解を深める上で大きな意義を持つ。未来の業界を担う人材を育むとともに、現場に携わっているプロたちが現状を振り返り、将来に向けて何が必要なのかを考える良い契機にもなっているように感じた。

自動車アフターマーケット業界は高齢化が進み人材不足が喫緊の課題であり、技術継承が重要だからこそ、現場のプロや業界団体、教育機関、行政が一体となり、本腰を入れて本格志向の体験イベントを継続的に開催していく協力体制は不可欠だ。本物志向の自動車整備体験イベントが今後各地に波及していくことで、自動車アフターマーケット業界全体の活性化につながっていくことが大いに期待される。

《カーケアプラス編集部@金武あずみ》

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