今回の実験では下の4台を使用し、2つのテストを実施した。
▼テスト車(左から表記)
●オープンカー:直射日光をまともに受ける状態(比較用)
●クリアガラス装着車:UVカット機能はなし
●UVカットガラス装着車:約90%紫外線をカットする
●スーパーUVカットガラス装着車:約99%紫外線をカット。
◆【テスト1】UV計測器によるテスト
ガラスの種類別の紫外線強度は?
車によってガラスごとに紫外線カット率が異なるため、各ガラス(フロントガラス、前席ガラス、後席ガラス、リアガラス) に日差しが当たるように車の向きを変えて、紫外線強度を計測した。
結果は下の結果表の通りで、フロントガラスは、オープンカー以外すべて数値が1桁以下と低くなった。これは、フロントガラスは約30年前にフィルムを挟んだ合わせガラスが義務化され、フィルムには紫外線をカットする機能が備わっているためだ。
それ以外のガラスでは、UVカット機能の有無で差が出た。「UVカットガラス」が275μW/平方センチ※以下だったのに対し、「クリアガラス」の前席やリアガラスは1,000μW/平方センチを超えた。一方で、4ヶ所すべてで紫外線強度が低かったのが「スーパーUVカットガラス」で、すべて1μW/平方センチ以下と「99%紫外線カット」を裏付ける結果となった。
※μW/平方センチ…紫外線の強度を示す単位
◆【テスト2】UVラベルによるテスト
各車の運転席(右側)の紫外線の強さは?
紫外線の強さによって色が変化する「UVラベル」を使って、各車の運転席(右側)における紫外線の強さを30分間確認した。
結果は下表の通りで、それぞれの車にラベルを右腕に貼ったモニターに乗ってもらって色の変化を30分確認したところ、オープンカーは3分30秒、クリアガラスは16分30秒で赤く変化しました。スタートから30分後、UVカットガラスはわずかに赤くなったが、スーパーUVカットガラスは色が変わらなかった。
◆紫外線対策グッズの効果も検証してみた
UVカット機能のないガラスで、紫外線対策グッズの効果も検証した。サンシェードは後部座席にしか使えないが、フィルムと液剤は前席でも使用できるものを使った。モニターの顔付近で使用前後の紫外線強度を計測した結果、下写真のように5~8割ほど減少した。
なお、紫外線や日差し対策でスモークフィルムを貼る人もいるが、フロントガラスと運転席・助手席の側面ガラスは可視光線透過率が70%以上ないと違反になるので注意したい。透過率はガラスとフィルムを合わせた数値なので、色の薄いスモークフィルムでも注意が必要となる。
上記の検証結果のように、車のガラスの違いによって「紫外線の強さ」が大きく異なる結果となった。まだ真夏の強い日差しではないからと安心せずに、しっかりとした日焼け対策をとることが大切だ。