チューニングカーやカスタマイズカーは本来できれば雪道を走らせたくないが、そうも行かない人もいる。ならば、今からでもできる対策を講じて少しでもダメージを防いでこの寒波を乗り越えたい!!
◆車高ダウン車両は雪道が厳しい
可能であれば車高アップを行おう
めったに降雪しない地域にもバンバン雪が降っている2023年。雪国の方には釈迦に説法であるが、雪に慣れていない地域にも降雪が多く、改めて雪道に対する対策を考えておきたいところ。
カスタム&チューニングカーでまず気になるのはエアロパーツ。ノーマルよりも車高が下がっているともちろん、そこまで車高を下げていなくてもエアロパーツ自体で地面方向に近くなっていることもある。そうなると、ちょっとした雪でも、クルマが走るとタイヤの当たる部分は雪が溶けて、道路の真ん中には雪が残ってしまいバンパー中心部が雪とぶつかってしまう可能性がある。こうなると除雪車状態でいつどこで硬い雪に当たってバンパーが割れるかわからないので危険。対策としては当然だが車高を上げるしかない。
気をつけたいのは冬用にスタッドレスタイヤに履き替えているが、スタッドレスタイヤは外径を小さいホイールを使っている人が多いこと。純正サイズに近いスタッドレスタイヤを履いていて、普段は大径ホイールにワイドなタイヤを履いていたりすると外径も普段のものの方が大きく、そのタイヤを履いたときに車高を合わせているので、スタッドレスタイヤに履き替えると思いのほか車高が下がることがある。そういった点も気をつけておきたい。
このタイヤサイズの件と関連するが、ホイールハウス内のスペースも確認が必要。フェンダーとタイヤのクリアランスがギリギリだと、雪の塊などをタイヤが巻き込んでフェンダー内側に強く当たってしまうことがある。そういった点も確認しつつ、車高アップを施したほうが無難。
◆車高を変えるならついでに車高調のグリスアップ
わざわざ車高を変えるのは面倒だが、雪道を走らざるを得ないなら変えるしかない。ちなみに東北や北海道の方は車高を変えるか、車高調が融雪剤で傷むことを考えて冬場は純正サスに戻す人も少なくない。もし、車高調のまま乗るなら融雪剤からのダメージを防ぎたい。車高調に錆も出やすくなるし、なんといっても車高調整部分などのネジが固着して、車高調整ができなくなってしまうことがあるのだ。
対策はまずはよく洗うこと。毎回外して洗うわけには行かないが、もしタイヤを外すことがあれば水を掛けてブラシなどで石や汚れを落としつつ洗う。普段も洗車するときなどタイヤハウス内のサスペンションに水をかけるだけでも融雪剤の塩分が流され、汚れも流れていくので効果はある。
次にもし車高調整をするなら、潤滑スプレーなどを吹いておくこと。C-RC556などよりは、シリコン系のスプレーとか、TEINからは専用のスプレーが発売されているが、そういったもので潤滑しておくことで少しでも錆ることを防ぐことができる。可能なら、一旦サスペンションを外してそういったグリスアップなどをしてから再度取り付けるとか、新品時にグリスアップをしておくのも手だ。
しかし、このグリスアップは誰しもにオススメとも言い難い。グリスアップをすれば、そこに少なからずホコリを呼び寄せてしまう。それによってトラブルが起きることもあるので、冬場は乗らないとか、雪道や融雪剤が撒かれるようなところは走らない車両であれば、何も付けずにサスペンションを組み上げるのが通常。グリスアップをしていないからといって、取付店が手抜きをしているわけではないのだ。
◆クーラントやウォッシャー液が凍結するトラブルも多い
クーラントはノーマルであれば日本の冬で凍結してしまうことはない。しかし、最近減っていたので水を足したとか、噴いてしまったので水を足したなんてことがあったら濃度の確認が必要。また、チューニングクーラントでは一部で0度や-5度くらいで凍結する、不凍液というよりエンジン冷却水に性能を絞ったものもあるので気をつけたい。
もっとも凍りやすいのはウインドウウオッシャー液。水や薄めのウオッシャー液だと配管が細いこともあって、すぐに凍って出てこなくなってしまう。雪道では前のクルマから泥が飛んできたり、目の前がびっくりするほど視界が悪くなることがあるのでウインドウウオッシャー液は必要不可欠。冬場だけは水ではなくウオッシャー液を補充するようにしたい。